現在の生活に不満を持ち、悩んでいるという状況であっても捉え方は人それぞれ。ですが、おおよそ2つのタイプに分かれるのではないでしょうか。
1つは、その不満に満ちた生活の原因を「夫のせい」「義母のせい」「上司のせい」「こんな環境に生まれたせい」と、自分以外のものが原因だと考えるタイプ。○○が変われば、自分は幸せになれるのに! ○○のせいでこんなに辛いんだ、と思い込んでいらっしゃる方もいます。
もう1つは、この不平不満だらけの生活からどうにか抜け出たい、そのために自分は何ができるのか整理をしたい、というタイプ。さて、皆さんはどちらのタイプが幸せになれると思いますか?
■ 「変わらない」という決心をしている!?
今、話題のアドラー心理学では、性格や気質のことを「ライフスタイル」と呼んでいます。そして「ライフスタイル」は自分で選び取るものだと考えています。もしあなたが、現状に満足していないのであれば、それは自分が選んでいるから、そして「変わらない」という選択をしているからだと考えるのですね。話題の一冊、『嫌われる勇気』(※)から一説をご紹介します。
「いろいろと不満はあったとしても「このままのわたし」でいる方が楽であり、安心なのです。(中略)変わることで生まれる「不安」と変わらないことでつきまとう「不満」。きっとあなたは後者を選択されたのでしょう」
■ 変わるためには「幸せになる勇気」が必要
どんなアドバイスや具体的なサポートを申し出ても断る人は、おそらく「ライフスタイルを変えない」という選択をしているのでしょう。人間の行動には原因があるのではなく、目的がある、とアドラーが言うように、「このままでいること」に何か目的があるのかもしれません。
一方、ライフスタイルを変えるためには、まず、変えようと決心することが第一歩なのです。そして自分が少しでも簡単に出来ることから行動を変えていく。行動を変えることで幸せになろうとする勇気が必要なのですね。
[ 執筆:高橋 雅美(心理カウンセラー) ]
【参考】
※1. 岸見一郎 古賀史健(2013)『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラーの教え」』ダイヤモンド社、pp52より