■ 二人目不妊って?
一人目はすんなり妊娠できたのに、なかなか二人目を授からない…。最近、二人目不妊に悩む人が増えてきているといわれます。出産を経験した人の場合、授乳期間を除き次の妊娠を望んでから2年経過すると不妊が疑われます。
■ 二人目不妊の理由
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女性側
一つ目は、加齢による原因。高齢になるほど卵子の老化は進むので、着床・妊娠率が低くなります。加齢による卵巣機能の低下も、排卵や月経トラブルにつながりやすくなります。二つ目は前回の出産による体内環境の変化。分娩時の大量出血や感染症、帝王切開による子宮や卵管の癒着などが考えられます。ほかにも、産後の月経不順やそれによる排卵障害などもあります。
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男性側
精子は女性側の原因に比べて影響が少なく、妊娠力も個人差が大きいと言われていますが、加齢、喫煙、肥満、生活習慣、環境要因などが不妊を招きます。なかでも精索静脈瘤(精巣からの静脈の血液が滞り、こぶ状になる)は、自覚症状がないため、1人目の出産前後からあったものが知らず知らずのうちに悪化しているケースもあり、二人目男性不妊の原因で最多です。精索静脈瘤があると、陰嚢があたためられ、精子がつくられにくくなるため、男性の検査もおすすめします。
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男女両方
育児や家事、仕事に追われているうちセックスレスに…という声は意外に多くハードルの高さがうかがえます。排卵日にピンポイントでトライ! は大事ですが、タイミングがずれることもあるため、理想をいえば3〜5日ほどの間隔で時間をもてるといいでしょう。とはいえ、妊活がストレスになっては元も子もありません。ただでさえ仕事や育児などでストレスが溜まっているのなら、協力し合って上手にコントロールしたいものです。
■ 二人目不妊は贅沢!?
二人目不妊の方が辛い胸のうちを綴ったブログ記事が「贅沢だ!」と大炎上しているのを見て、胸が痛んだ経験があります。辛辣なコメントを綴る方の中には一人目不妊に悩む人がちらほらいらっしゃり、当時同じ立場だった筆者としては全部とは言わないものの共感できる部分もありました。(だからといって誹謗中傷はだめですね!)子ども連れでクリニックに通う人と待合室で一緒になったときの何ともいえない切ない心中も、思い出すだけで辛くなります。
先日、不妊ピア・カウンセラーの資格試験に合格し話題になった東尾理子さんは、雑誌『ママになりたい』(※1)の中で不妊治療の再開についてこう話しています。
一人いるのに(二人目は)贅沢って思われてしまうこともあると思うんですけど、人がどう思うかはコントロールできないので仕方がないです。人が思うことで自分の基準をつくらないことが大切なんじゃないかな。
子どもが欲しい理由は人数に限らず人それぞれ。贅沢かどうか、他人が判断することではないので、筆者としても気にせず邁進してほしいと思います。
[執筆:渡辺さちこ]
【参考】
※1. コスミックムック(2015)『ママになりたい 赤ちゃんが欲しい人のための妊活バイブル』コスミック出版