キャリアカウンセリングを利用する方には、転職活動を始める前の方も、転職後の方もいますが、後者の場合は転職を後悔し、次の転職先を探す内容が多いのです。その話を聴くたびに、転職先を見つけるには「優先順位」をつけることが大切だと感じます。この感じは引っ越しの部屋探しを想像すると、わかりやすいでしょう。
■ 部屋探しの場合
部屋探しの場合、住みたい地域を大まかに絞ったうえで、下記のような条件を一度は具体的に挙げるでしょう。
- 部屋の特徴(例 間取り、備え付けの設備)
- 家賃
- 最寄り駅からの距離
- 町の雰囲気
けれど、全ての希望が叶うことは多くないため、物件情報を得ながら譲れない・譲れる項目を選び、物件を絞り込むもの。
たとえば筆者は、「角部屋の二面採光、2階以上で日当たり良好、エアコン付、駅から徒歩10分以内、○万円以下」と、部屋の特徴・家賃・距離のすべてを満たすものを探していましたが、そんな物件はまず、ありません。あってもオンボロだったり、日当たりが良くなかったり。不動産屋さんに優先順位をつけるよう勧められたものでした。
■ 転職活動の場合
一方、キャリアカウンセラーの観点では、転職時の希望はだいたい次の5つに絞られます。
- 仕事内容 (例 スキルアップしたい、もっと幅を増やしたい)
- 給料アップ
- 勤務時間(残業時間、通勤時間を含む)
- 職場の人間関係の良さ
- 安定性(正社員を希望するなど)
もし、あなたが転職活動を始める前や、再び転職を考えているのなら、これらの項目に優先順位をつけましょう。あなたが仕事に何を求めているのかを明らかにする、すなわち転職の目的を明確にするのです。
そうすれば、たとえばスキルアップを求めて転職したにも関わらず、「仕事内容は満足しているけれど、周囲とソリが合わないから転職したい」「正社員になったけれど、給料が思ったほど良くないから転職したい」などとはなりません。
転職活動は誰にとっても、チャレンジングな大きな変化。転職しようかな?と思ったら、まずは仕事に求める条件の整理をしっかりと。納得できるキャリアを歩めますように。
[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント)]