転職活動といえば、求人情報を見て応募、人材会社から紹介された案件に応募、知人の紹介により応募の3つが主なルート。ところが、『日本経済新聞』の記事(※1)によれば、ダイレクトリクルーティング(DR)という新たなルートが、企業の間で広がっているとか。
■ DRとは
記事によればDRとは、専門会社が運営する人材データベースやSNS(実名登録のSNSなど)を駆使し、企業が欲しい人材に直接声をかけて採用する手法のこと。新規事業立ち上げや事業拡大など、目的と欲しい人材像が明確な企業が利用しており、あるIT企業では、中途採用者の3割がDR、将来は5割に増やすとか。ちなみにデータは、イベントなどの参加者から作成することもあるそうです。
イベントや勉強会で受付に出した、あるいは参加者と交換した名刺の存在感が、いっそう増すのでしょう。はしゃぎ過ぎた内容をFacebookなどに掲載し、全員に公開を選択していたら…知らないところで赤っ恥をかくことがあるかもしれません。
■ プランド・ハプンスタンス
その反面、転職希望者だけでなくキャリアアップを漠然と考える人にも、企業から高い関心と好条件で、思いがけずアプローチされる可能性がありそうです。これはチャンス?!
DRを呼び込むには、プランド・ハプンスタンス(計画された偶然)セオリーを意識してみましょう。偶然に見える転機は、準備があったからこそ起きるのだとか。日ごろから自分を端的に語れるようにし、社外の人と積極的に交流することが、予期せぬDRにつながる可能性を高めます。
まずは、職務経歴書を作成するつもりで、これまでのキャリアをふりかえり、方向性や人物像、どのような思いで仕事をしているのかなどを明確にするとよいでしょう。キャリア・カウンセラーも、あなたのプランド・ハプンスタンスをお手伝いします!
[執筆:五十嵐ゆき(キャリアコンサルタント)]
【参考】 ※1. 『日本経済新聞』「中途採用『待ち』から『攻め』へ」2015年5月23日