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保育園での子どもの事故死から考える、待機児童解消
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保育園での子どもの事故死から考える、待機児童解消

5月7日の日経新聞夕刊や産経WESTにて、厚生労働省がまとめた保育園での子どもの事故死について取り上げられていました。これらの記事では、子どもの人数というよりも『どこで事故が起こったのか・なぜ起こったのか』という事に焦点が当てられていました。それらの事故はどこで起こったのでしょうか。

 

■ 認可外施設が7割でした

保育園の種類は、大きく分けると2種類しかありません。それは、認可園と認可外園。国が認めている事が重要なため、認証保育所は認可外になります。「認証」と、自治体に承認されているにもかかわらず、国が認めていないため、認可外なのですね。

認可外の施設数は、認可保育園の3分の1しかないにも関わらず、亡くなってしまった子どもの数は認可保育園:50人、認可外保育園:113人となっています。

しかし、この数字、本当はもっと事故が起こっていた可能性があるため、本当に死亡してしまった数字ではなさそうです。なぜならば、4月から始まった「子ども・子育て支援新制度」以前は、保育中の死亡、重症事故を自治体に報告する義務がありませんでした。「子ども・子育て支援新制度」で義務付けたため、今までは報告がされていなかった可能性があるためです。

 

■ 比較的詳細な死因別は2013年~14年以外はデータなし

そして気になる死亡事故の内容については、13年~14年の2年間のみとなっています。この2年間に亡くなった人数は36人。理由は、病死、乳児突然死症候群(SIDS)、窒息、死因不明となっています。睡眠中に亡くなったのは2年間で27人おり、その内の21人が認可外保育園。まさに7割でした。

 

■ 認可外保育園には預けない方がいいの?

認可外保育園のすべてが悪いわけではありません。認可外でも素晴らしい園は沢山あります。しかし、認可外の保育園は様々あるため、しっかりと選択する必要があります。

そのために必要なのは施設の見学です。見学に行き、目で見て耳で話を聞き、違和感や心のどこかで引っかかるものがあれば、どんなに周りの方から評判が良くてもご自身の勘を最優先してください。

 

認可外保育園の法的な事故報告義務はまだないとされていますが、報告義務の整備をし、認可外での死亡事故が多くなってしまう原因を見つける。そうすることで、どのような保育施設にも安心して子どもを預けられるようになり、待機児童を減らす一つの方法になるのではないでしょうか。

[ 執筆:三木 育美(保育情報アドバイザー)]

 

【参考】
※『日本経済新聞』「保育所での子供事故死、「認可外」施設が7割 04~14年163人」2015年5月7日
※『産経WEST』「11年間に保育中の死亡163人 認可外が7割 0歳児、睡眠中多く」2015年5月6日
※ 児童福祉法では「保育所」の表記が本来の名称ですが、一般的ではないため、本記事では「保育園」と記載しています。

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