今年、東京都足立区で家族から“自殺”と届出のあった女性が、実は殺害されていた事件がニュースで報じられました。しかも、通報した家族である次女と交際相手、さらに三女が容疑者として逮捕されたのです。殺害された長女は、自分の娘と容疑者の次女3人で暮らしていました。三姉妹を知る人の話では、3人の仲はとても良かったそうです。姉を殺害するに至った理由は、今後の取り調べで明らかになると思われますが、一般的に三姉妹というのは微妙な関係性を生み出すケースもあるようです。
■ 2対1になりたくない姉妹の心理
よくある話ですが、友人3人でグループの場合に、一人が仲間外れにされることがあります。これが同居の三姉妹の場合では、二人は仲が良く、一人だけ気が合わず孤立してしまう。2対1の関係になると、その1人は日常の中で少なからずストレスを受けるようになります。
母娘関係改善カウンセラーの筆者のところには、三姉妹の関係で悩む相談者が来られることがあります。
例えば長女の場合は、初めての子どもなので親から大切にされる一方、姉妹の世話をする責任を負わされ、妹たちからは羨ましがられる、または煙たがられるケースがあります。
次女の悩みの傾向は、長女は親の期待を受け、三女は子育てに余裕ができた親から可愛がられるのに、自身は放任されているように感じるというもの。
三女の相談で多いのは、長女と次女の仲が悪く、どちらも自分を味方に引き入れようとして双方に気を使わなければならない、あるいは末っ子ということで両親、とくに父親から溺愛され、それを二人の姉が嫉妬するという話が。
こうしてみると、三姉妹の立場でそれぞれの悩みがあります。さらに成人すると、両親と同居するのは誰か、それによって遺産相続にも影響が出るなど、利害が絡んでくるため関係はより複雑になることがあります。冒頭の足立区の事件も、実家が資産家だったための遺産問題を指摘する声があります。
三姉妹が仲良しでいるためには、3人が正三角形の距離間をキープするのが鍵です。もし、二人の姉妹の間で行き違いが生じたときは、もう一人を味方につけようと取り合うのではなく、3人で話し合いの場をもつこと。将来、何か起きたときにパートナーより姉妹の方が頼りになることもあるのですから。
[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー)]
【参考】
※『livedoorニュース』「足立区で自殺を装い姉を殺害 仲良しだった3姉妹を引き裂いた親の遺産」2015年8月2日
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