今年の就活戦線は、4月解禁だった企業の選考(面接)が8月開始となったため、炎天下のオフィス街には就活生の姿が目立ちます。都内の女子大で就活支援を行う筆者としては、学生さんたちが自分に合った良い企業とご縁があるのを祈るばかり。
本コラムでは、大学で教えている「自己分析」の中でも、転職や復職、起業といったタイミングで役に立つ、自分の「弱み」をポジティブに捉え直す考え方を2つのタイプをもとにご紹介します。
■ 自分は「器用貧乏」だと思っているタイプ
このタイプの人は、なんでも人並みにこなせられるけれど、飛びぬけた才能がないことを弱みだと考えています。ところが、筆者がこれまでに出会った自称「器用貧乏」さんは、ITリテラシーがスバ抜けて高い、カリスマ的なリーダーシップがある、文章がプロ並に上手いなど、充分すぎる強みをもったハイレベルな人たちばかり。どうやら自分の強みに気付いていないだけのようでした。
彼女たちは「自分にはできない」と感じる機会が少ないため、ベースとなる自己肯定感が高い特徴があります。一度自分の強みに気付けば、目標に向かって自信をもって邁進し、何かの分野で大化けする可能性が高いのです。もっと自分を認めてあげて、強みや個性を伸ばしていきましょう。
■ 「面倒くさい」が口癖になっているタイプ
この手のタイプは下手をすると「怠け者」というレッテルを貼られかねません。しかし、根性論の努力が嫌いなので、生真面目な人が陥りがちな、時間がかかる割に結果が出ない、という残念な状況とは無縁です。むしろ、限られた時間内で効率的に成果を出せる人なのかもしれません。面倒くさがり屋の人が出産して働くママになったとしたら、なんでもかんでも自分でやるのは面倒なので、周りの人や外部のサービスに上手く頼って、仕事と子育てを上手に両立させることができそうです。
良いイメージを持たれにくい「面倒くさがり屋さん」ですが、彼女たちから学ぶことは意外と多いのではないでしょうか。
いかがでしたか? 今回は2つのタイプを挙げましたが、「弱み」と思い込んでいる性格の多くは、ポジティブに捉え直すことができます。こうした自己分析は、ひとりでやっていると煮詰まってしまいがち。わたしたちキャリアカウンセラーなど、第三者の意見もぜび参考にしてみて下さいね。
[執筆:椎葉 怜子(キャリアカウンセラー)]
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