あなたは、自分が物を覚えるとき、資格の勉強をするとき、どうしたら上手くいくか考えてみたことがありますか? また、他の人が勉強するときの自分との違いについて認識したことがあるでしょうか? 実は、人によって得意なやり方が違うことを知っておくと仕事でも役立つのです。
■ 自分の得意をまず知ろう
人が何か物事を認識し、理解するには自分の五感を使いますが、大きく分けると4種類の方法があります。
- 1.何かを「見る」ことで理解しやすい。
- 2.何かを「聴く」ことで理解しやすい。
- 3.何かを「体験する、実際にやってみる」ことで理解しやすい。
- 4.何かを「読む」ことで理解しやすい。
あなたは、どの方法が理解しやすいですか? 例えば筆者は、難しい資格試験の勉強をするとき、内容についての本を読むだけではなかなか頭に入らないため、「実際にノートに書き出してみる」「同じ勉強をしている友達と会って、実際に練習したり、答えについて話し合ったりする」ことを何度も繰り返しました。
その次に、書いたものを何度も「見て」覚えようとしました。内容を録音し、通勤時間などにずっと聞いている人もいましたが、筆者はそのやり方をしようとは全く思いませんでした。
つまり、筆者の最も得意な方法は「身体を使って体験する、実際にやってみる」。2番目は「見る」ということです。あなたは、いかがですか?
もちろん1つだけではなく、複数得意がある人もいるかもしれません。このように普段勉強したり、新しいことを覚えたりするとき、どの方法を使おうとするか分析してみましょう。
■ 仕事への活用の仕方
自分の得意な方法がわかったら、次は周りの人について思い浮かべてみてください。一緒に仕事をしている人は、どの方法が得意でしょうか? それは、あなたと同じ方法ですか? それとも違いますか? わからなければ、どれが好きか、しっくりくるか質問してみるとよいですね。
何かを理解する、判断することが必要なとき、「図や写真などビジュアルで見るものがほしい」と思う人。「詳しい説明を、人から言葉で聞きたい」と思う人。「実際に現地に行く、その人に会うなどの体験が必要」と思う人。「インターネットなどで情報を調べ読んで検討したい」と思う人。きっと様々だと思います。ぜひ、相手に合わせた方法で伝えるようにしてみてください。きっと今までよりも、相手との意思の疎通がしやすくなるはずです。
[執筆:渡部 幸(コーチ/キャリアコンサルタント)]
※写真:artfoliophoto / PIXTA、本文とは関係ありません