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親密な人間関係が苦痛…「回避依存症」の傾向と対処法
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親密な人間関係が苦痛…「回避依存症」の傾向と対処法

回避依存症という言葉をご存知でしょうか? 回避依存症とは、人間関係が親密になるとそれを回避してしまう過度な傾向をいいます。依存症といっても病気ではないのですが、人間関係がうまくいかず、本人が苦しい思いをすることが多々あります。

たとえば、親友と呼べるほど仲良くなったのに、突然、相手との関係を切ってしまうケースがあります。それも、喧嘩をしたなどの明確な理由があるわけではないのです。回避依存症の人にとって、他人と近すぎる関係になること自体が苦痛になるのです。こうした関係は友人同士に限らず恋人との間で起こります。また、他人に自分の弱みを見せたくない思いが強いという傾向もあります。

 

■ 親の過干渉も影響している?

回避依存症になる原因は、はっきりわかってはいません。もともとの性格や家庭環境の影響が指摘されることもあります。たとえば親が過干渉であった場合、常に子供を支配しようとするあまり、子供にとってはそれが息苦しく、自分の領域を守る事に過敏になった可能性も考えられます。

母娘関係改善カウンセラーの筆者の所には、前述したケースで悩まれる方が多く来られます。ですが、ご本人に回避依存症である自覚はほとんどありません。

関東近郊に一人で暮らすA子さんの場合は、友人や彼氏、家族でさえも、自分の心の領域に入ることをとても嫌がります。

「一緒に食事するなどの距離感は大丈夫なのですが、最近は職場での人間関係はどう? という精神的な部分に踏み込まれることがとても嫌なのです」と話します。A子さんの両親は以前から心配性で、何をするにも口を出すタイプでした。「いつも見張られている感覚が恐れになり、親だけでなく人に信頼が持てなくなってしまったのです」。

 

もしこの記事を読んで、自分も当てはまるという人は、まず回避依存症について理解しましょう。この依存症に見られる特徴の一つに、自分をさらけ出すことを極端に恐れる傾向があります。でも他者に対して、すぐにオープンにする必要はありません。ただ、近すぎる関係になって心の警告サインが発せられたら、今までのように「もうつきあいを止めよう」とは思わずに一度立ち止まり、「なぜそう思うのだろう」と自分に問いかけてみて下さい。まずは、自分の内側を見つめるところから始めてみてくださいね。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー)]

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