ここ数年、親御さんの要望を受けて、保護者向けの就職懇談会を開催する大学が増えています。親の関心が高い子どもの就活事情ですが、2年連続で就活のスケジュールが変更になり、最新情報の把握が少し難しくなっています。本コラムでは、大学で就活対策講座を担当するキャリアカウンセラーの立場から、2017年3月卒業予定の短大1年生、大学3年生、大学院1年生のお子さんがいらっしゃる親御さんに向けて2016年の就活スケジュールの特徴を解説します。
■ 2016年度は3月に就活開始。6月には面接解禁
従来の就活では、大学3年次の12月に企業の採用広報が開始され、大学4年次の4月に面接解禁となっていました。しかし、就職活動の長期化による学業への影響を懸念する政府の要請を受け、経団連は2015年度の就職活動を大学3年次の3月に採用広報開始、大学4年次の8月に面接解禁へと変更しました。ところが、企業や大学からの反発もあり、2016年度からは大学3年次の3月の採用広報開始は変わらないものの、大学4年次の6月に面接解禁へと再度変更されたのです。
■ 2016年度の就活は“超短期戦”が特徴
2016年度の就活の特徴は、就活史上最大の“超短期戦”である点です。スムーズに就活戦線を潜り抜けた学生の場合、大学3年生の3月に企業説明会に参加した後、大学4年生の6月末ごろには最初の内定を獲得することができるでしょう。
一方、2016年度からの就活スケジュールでは、学生が企業分析やエントリーシート(自己PRや志望動機を書いた履歴書)、適性検査、面接対策などの準備に充てる期間が短くなるため、準備が間に合わなかった学生は内定を得られるのが大学4年次の冬頃まで長期化する可能性があります。
■ 2016年の就活の具体的なスケジュールは?
3月1日になると『リクナビ2017』『マイナビ2017』などの就活情報サイトで、各企業の採用情報が公開されます。同時に、3月に開催される各企業の企業説明会の受付も開始されます。面接解禁は6月1日ですが、対面以外の選考はそれ以前に行ってもOKとなっているため、4月・5月にはエントリーシートによる選考や適性検査による選抜が行われます。書類選考に合格した学生は6月から面接へと進みます。
就活期間中は思い通りに行かないことが多く、自信を失いがちな時期です。親としては、過干渉にならないよう適度な距離を保ちつつも、あたたかく見守ってあげて下さいね。
[執筆:椎葉 怜子(働き方コンサルタント/キャリアカウンセラー)]
※ 写真:msv / PIXTA、本文とは関係ありません