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捨てられない症候群…幼少期の母親との関係性はある?
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捨てられない症候群…幼少期の母親との関係性はある?

■ 捨てられないのは性格なのか?

春のこの時期は、引っ越しや異動などで、物を整理して捨てる必要性に迫られることがあるかもしれません。世の中には、物が捨てられない人もいます。常に部屋は物であふれ、断捨離や収納整理といった本を読んだり、片付けのアドバイザーに相談してみたり。捨てる気持ちはあるけれど、どうしても実行できない。母娘関係改善カウンセラーの筆者のところには、そのような相談が寄せられることがあります。

「母娘問題」と「物が捨てられない悩み」と、どのような関連があるのかと疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

相談者さんの中には、子供の頃に、転勤の多い父親の仕事の関係で、小学校や中学校を何度も転校したという方がいました。やっと友達もできて慣れた頃に、また転校。友人との別れの辛さに加え、相談者を苦しめたのは母親から言われた言葉でした。それは、「引っ越しの際に持っていく荷物は段ボールひと箱にするように」という指示。つまり、入らない物は全て捨てるようにと言われていたのです。誕生プレゼントやお別れにもらった思い出の品なども、あきらめるしかなかったのです。

 

■ 母親へのあてつけ? 物をため込むように

他にも母親との関係から物が捨てられなくなったという相談者がいます。母親は感情の起伏が激しく、相談者が幼い頃から怒りっぽい性格でした。気に入らない事があると、子供のおもちゃを捨てる。相談者がティーンエイジャーになった頃には、勝手に部屋に入ってきた母親に、大事にしていた物を捨てられた経験がありました。大人になった今は自分の部屋に鍵をかけるようになり、母親には入らせないようにしていますが、物を捨てることができなくなり、部屋には物が溢れているといいます。

 

このような相談者さん達に共通しているのは、「物を捨てる=大きな喪失感につながる。一方で、このような状況は母親のせいだ、というあてつけの感情もある」ということ。しかし、さすがに足の踏み場もなくなると困るのは本人自身です。収納や断捨離の本を読むのも有効ですが、まずは自分の感情を整理する方が先かもしれません。母親との確執やわだかまりといったものがあるならば、それを一度母親に伝えて、すっきりさせるのも物を捨てる第一歩かもしれませんね。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー)]

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