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データで教育を分析! 目からウロコの科学的アプローチ
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データで教育を分析! 目からウロコの科学的アプローチ

この春、子育て中のママにとってはお子さんが進級・進学し教育への気持ちも新たになっていることと思います。しかし、子育てに関する成功体験談や金言が世にあふれていても、どうもうちの子には当てはまらない……と途方に暮れてしまうこともあるもの。そんな、子育ての悩みを科学的根拠に基づいて語った本が話題になっています!

 

■ 子どもをご褒美で釣ってはいけない?

2015年6月に発刊以降、ビジネス・経済書ランキングで度々1位を獲得して話題となった本、『「学力」の経済学』(※1)。著者の中室牧子氏は、ご自身は子育て経験は無く、あくまで教育経済学者として鋭く今の日本の教育事情を分析し、本質的な提言をされています。

本では、教育・子育てを、特定の人の子育て経験を元に語られる逸話として手本にするのではなく、統計に基づいたデータとして多くの人に当てはまる傾向として見せてくれています。これには、出産後何冊も育児書を読んでは、なかなかフィット感を得られなかった筆者も目からウロコが落ちる思いでした。

ちなみに、多くの教育評論家が唱える「子どもに勉強させるためにご褒美で釣ってはいけない」というお話も、科学的にはOK。つまり「目の前のにんじん作戦」の有効性はあるとのことです。

 

■ ゲームは子どもに悪影響?

最近では、筆者の周囲の子育てパパ・ママの間でもテレビやゲームを禁止、特にゲームは一切禁止しているご家庭も少なくありません。一般的に、勉強時間が減る、目が悪くなる、内容的に良くないものがあるなどの理由が考えられると思います。実際にやり過ぎは良くないと思いますが、本当に教育に悪い影響があるのでしょうか?

中室氏の分析によれば、「テレビやゲームを止めさせても、学習時間はほとんど増えない」そうで、1日1時間程度ならば息抜きとして問題ないとしています。ですが、ゲームをしなかったからといっても、スマホで1日中チャットをしていたら意味がありませんのでご用心。2015年の携帯電話、スマートフォン利用に関する調査(※2)によれば、女子高生のスマホ利用は平均5.5時間、15時間超えもあるとのこと。気をつけましょう。

この春、子育てを新しい視点から見直して、それぞれのご家庭にあったやり方を模索すると良いかもしれませんね!

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー)]

 

【参考】
※1. 中室牧子(2015)『「学力」の経済学』ディスカバー・トゥエンティーワン
※2. 『ケータイ Watchニュース』「未成年の携帯電話、スマートフォンの利用実態調査―デジタルアーツ調査」2015年7月7日

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