■ 母娘旅行が盛んというけれど……
5月のゴールデンウイークを心待ちにしている人も多いでしょう。この時期は、母親との旅行を計画しているものの気が重いと感じている女性たちからのご相談が、母娘関係改善カウンセラーの筆者のところに寄せられます。
年々、友達感覚のような母娘親子が増えるにつれて、旅行を楽しむ姿も数多く見受けられます。20代~30代女性を対象にしたアンケートによれば、母親と海外旅行に行った割合は23%、国内旅行は52%という結果が出ており、さらに国内で10回以上行った母娘は1割にもなります(※)。
二人での旅行が楽しければいいのですが、負担に感じる娘はどのように思っているのでしょうか?
■ 離れて暮らしているので、せめてもの親孝行
ゴールデンウイークは毎年、母娘で旅行と決めている親子も。日頃、離れてくらしているため、このときばかりは親子水入らず、温泉や食事、おしゃべりなどゆっくりできるのならいいのですが、母親からのストレスで全く楽しめない場合は暗黒の連休となってしまいます。
筆者のところに相談に来られたA子さん(会社員・34歳)もそんな一人。ご自身が地方勤務のため、都内に暮らす母親と毎年連休には旅行に行くことになって今年が6回目。ところが、旅行は初回からトラブル続き。ある時はA子さんがレンタカーを借りて運転、ドライブだったのですが、母親は「あそこに行きたい」「ここは嫌だ」とわがまま放題。旅館では人の悪口をさんざん聞かされて、うんざり。3回目の旅行からはバスツアーにしたのですが、これも「スケジュールがきつい」「食事がまずい」と文句ばかりで、A子さんは旅を楽しめる気分にはなれなかったと言います。
A子さんにしてみれば、このときくらい親孝行だと思って我慢し、費用も全額出していました。ですが、母親のあまりの勝手さに堪忍袋の緒が切れ、来年からの旅行はやめようと密かに思っています。ただ、1年間とても楽しみにしている母親を見ると、私さえ我慢すれば……と心が折れそうに。
このような場合は、何かの折に「せっかく旅行に行っても、お母さんが楽しんでいるようには見えなくて。無理しているなら、次回はやめようか」ぐらいのことは言ってもいいのでは? 旅行のプレゼントでなくても親孝行はできるはず、とまずは自分の気持ちを軽くしましょう。
[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー)]
【参考】
※ NTTコムリサーチ「母娘旅行に関するアンケート」2007年8月27日
※写真:PIXTA、本文とは関係ありません