2015年9月17日に発表された文化庁の「2014年度 国語に関する世論調査」によると、はっきり断定する表現ではなく、「微妙」「わたし的には」などのぼかした表現をする人が増えているそうです。
「微妙」という言い方は、20代は97.0%、60代も53.0%が使うと答えたとのこと。「わたし的には」という表現も過去の調査に比べると、使う人の割合が増加しているようです。
場の空気を読む、自分の責任を回避するために断定を避ける風潮があるのではないかと指摘されています。
■ ビジネスの場で断定を避ける表現をしてしまう心理
アラフォー以上働く大人女子の皆さんは、さすがにビジネスで上記のような言葉を使用したりしませんよね。
でも、無意識に「断定をさける」表現を使っていることはありませんか? 例えば「かもしれません」「そう思います」といった表現です。これは、考えようによっては、「です」「そうです」という断定を回避している言葉づかいとは言えないでしょうか。
特にリーダー職や管理職の女性は、部下から「信頼できる自信のある態度でいて欲しい」と思われているもの。そうでないと、その部下もしだいに自信を失ってしまいます。
■ 臨機応変に言い方を変えることで信頼感アップ
まだまだ男性社会と言われるビジネスの現場において、女性が自信ありげで断定する言い方をすることは、逆に反感を買ってしまうこともあるでしょう。ですから、いつも断定的な物言いをする必要はありません。しかし、ここぞという時は自信を持って、普段より少し低い声で、あえて断定した言い方をすることが大切です。
反対に、部下から悩みを相談された時は、「そうかもしれないね」などと柔らかい表現を使用することによって、相手の気持ちを受け止める。このように臨機応変に表現を変えることで、あなたはますます信頼される上司になることでしょう。
もちろんすぐにはできませんので、少しずつチャレンジしてみてくださいね。
[執筆:高橋 雅美(心理カウンセラー)]
【参考】
※ 『日本経済新聞』「「微妙」「わたし的には」言葉のぼかし表現浸透 文化庁調査」 2015年9月17日