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「三行半(みくだりはん)」、江戸時代は離婚しやすかった!?
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「三行半(みくだりはん)」、江戸時代は離婚しやすかった!?

「厚生労働省 平成27年(2015)人口動態統計の年間推計」(※1)によると、平成27年度2015年における日本の離婚件数推計数は、22 万 5000 組、離婚率(人口千対)は 1.80 となっています。

婚姻件数は 63 万 5000 組、婚姻率(人口千対)は 5.1 と推計されます。結婚そのものの数が減っているので、離婚件数も減少しているのですが、それでも、日本は、「夫婦の3組に1組」「約2分に1組」が離婚している計算になります。

 

■ 離婚証明+再婚許可書で構成

今回は「三行半」についてお話します。

「離婚届け」のことを、江戸時代は、「三下半」という俗称で呼ばれていました。読み方は「みくだりはん」といいます。正しくは「離縁状(りえんじょう)」のことで、離婚を確認する文書のことです。3行半の文書で書かれることから、庶民の間の俗称としてそう呼ばれるようになったそうです。「離縁状」の同義語に、「去り状」「暇(いとま)状」という言葉もありました。

三行半は基本的に夫から妻に出す文書で、前半が離婚に関する「離婚証明書」、後半は、別の人と結婚することを許可する「再婚許可書」となっていました。

 

■ 江戸時代の方が離婚しやすかった!?

現代は、協議離婚が出来なければ、調停⇒裁判へと進み、離婚するのもなかなか大変ですが、江戸時代の離婚率・再婚率は、現代よりかなり高かったそうです。特に離婚理由を問いただされることもなく、離婚も再婚もしやすかったそうですから、ちょっと驚きですよね。

働き口のない女性にとって、結婚できないことは死活問題につながりますから、世間の暗黙の了解のもと、生活の知恵として「結婚・離婚・再婚」の仕組みが合理的に成立していたのかもしれませんね。

 

■ 現代は、夫から妻へ三行半!?

ところで、現代は、妻から夫への三行半が多いという印象を抱いている方が多いと思いますが、最近筆者が受ける相談では、「夫から”離婚したい”と言われた」「夫からの離婚宣言を受けました」と悩む妻からの相談も少なくありません。

あまりに女性が強くなったからでしょうか。夫側も、「このままでは耐えられない」と、妻に三行半を突き付けるケースが増えているのかもしれません。

世の中は常なりませんが、時代の流れや男女の考え方によって、「離婚・再婚事情」も刻々と変化の兆しを見せているようです。

[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)]

 

【参考】
※1. 厚生労働省『平成27年(2015)人口動態統計の年間推計』 2016年1月1日
※ 人口動態総覧,前年比較

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