インターネット上に配信されるポッドキャスト「心屋仁之助のホントの自分を見つけるラジオ」(※1) を、ときどき聞いています。リスナーの質問に答えるのは、性格リフォーム・心理カウンセラーの心屋仁之助さん。どんな悩みも明快に分析し、わかりやすく伝えるメンタル界のカリスマ的存在なので、夫婦問題カウンセラーの筆者も参考にさせていただいています。
さて、先日のポッドキャストは、とても興味深い内容でした。「夫に浮気をされて、夫が信じられなくなりました」という40代女性からの相談です(※1)。
■ 「夫に裏切られることはない」と信じていた自分
「浮気は悲しいしイヤです。不安で許せない気持ちもあります。夫からは、申し訳ないと言われましたが、何を言ってもウソに聞こえてしまいます」と悩む相談者に対し、心屋さんは、こう話していました。
「この方は、浮気されたことがつらいというよりも、自分が裏切られたことがつらい。夫に裏切られた。この人は浮気をしないと信じていたのに……。信じていたのに裏切られたから、悲しいし腹が立つんです」
信じる、信じないは、自分が決めたこと。つまり、夫に裏切られることはない、と信じていたのは自分ということになるそうです。
■ 「結婚は2~3回の浮気込みです」
「結婚は浮気込です。人間だし絶対しない、とはいえない。結婚は2~3回の浮気込みです」。
衝撃発言に聞こえますが、「人間だから、誰かに気持ちをもっていかないとは限らない。精密機械でも100%はない」と心屋さん。「ゼロを目指す」「絶対にダメ」と言っていると、そのことばかり考えてしまい、ともすると現実化してしまう。他人と自分にそこまで厳しくしなくてもいい、と説いていました。
また、相談者も今後絶対に浮気をしないとは言い切れない。そうなったとき、相手を責めた手前、”あなたが浮気したから私もした”と正当化し苦しむことになります。
■ 修復を望むのなら「うっかり浮気」も許容範囲
夫婦問題に関する相談を受けている筆者のもとには、「夫が浮気しました。とても許すことができません」と、泣きながら訴えてくる相談者がいらっしゃいますが、夫のことを信じられないと言いながら、じつは夫のことを信じたい気持ちでいっぱいなのが伝わってきます。
もし、仕返しに自分が浮気をしたとしても、泥沼離婚に発展するだけでしょう。
約束や決め事は大切なことですが、誓いを立てても人の心は変わります。夫の浮気をどう捉えるか、自分自身が決めるしかありません。心屋さんは「うっかり浮気」と命名していましたが、関係の修復を望むのなら、「浮気の2~3回は許容範囲」と認めるのもアリかもしれませんよ。
[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)]
【参考】
※1. 心屋仁之助の「ホントの自分を見つけるラジオ」、2016年9月9日の放送からの引用。