2016年夏は、台風が立て続けに3つ東日本に上陸し、交通機関や農作物などに影響が出ていました。それとともに、筆者の周りでも体調不良を訴える方が増えている印象を受けます。今回は、台風をはじめとする天気の変化で起こりやすい「気象病」についてご紹介します。
■ 気象病とは?
その名の通り、気象の変化によって症状が出現する、または悪化する疾患を総称して「気象病」と呼んでいます。代表的な症状は、めまい、天気痛(片頭痛、古傷がうずくなどの関節痛)、肩こり、吐き気などが挙げられます。酷い方の場合、うつ病やメニエール病(激しいめまい、難聴、耳鳴りなどが同時に生じる)になる場合もあります。この気象病が起こるメカニズムについて、詳しくは判明していません。
考えられている原因は、下記のようなことだとされています。
・気圧や湿度などの変化が引き金になる
・自律神経系のバランスが崩れ、痛みを感じさせる物質が分泌されやすくなる
耳の奥に気圧の変化を感じとるセンサーがあり、このセンサーが特に気圧の変化(多くは高気圧⇒低気圧)によって反応することで、交感神経が優位になりすぎるのです。
なお気象病になりやすいとされているのは、以下の方です。あなたはいかがでしょうか?
・先述の耳の奥にあるセンサーが敏感な方
・乗り物酔いしやすい方
・寒暖差に弱い方
・ストレスで睡眠不足の方
■ 気象病への対処法
気象病で特に多くみられる症状は「(片)頭痛」とされていますが、この予防として効果がみられる「酔い止め薬」に注目です。乗り物酔いをするメカニズムとよく似ていることから、頭痛やめまいなどの対策として活用するとよいでしょう。市販されている薬で十分です。
さらに、乱れた自律神経のバランスを戻すために、体内の血液循環改善が必要です。特に普段からデスクワークが多かったり、運動の習慣がなかったりする方は要注意です。適度に運動、ストレッチなどを行いましょう。睡眠不足も症状悪化の原因になりますので、十分な睡眠をとるように心がけましょう。
[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]