2011年3月11日の東日本大震災から今年で6年が経過しようとしています。
2016年4月14日には熊本地震が発生しており、震災は決して他人事ではなく、いつでも自分の身に起きてもおかしくないのです。
今回は子ども連れの防災を一緒に考えてみましょう。
■ ママの体験談と防災術
「被災ママ812人が作った 子連れ防災手帳」(※1)には、東日本大震災で被災されたママの体験談と必要な防災術が記されています。一部の体験談をここでご紹介します。
- 頭の中が真っ白で、何が起きたのかもわからず、とにかく子どもをだきしめるしかできなかった。(娘6ヵ月)
- 保育園に預けていた長男を迎えにいき、無事を確認した瞬間腰が抜けてへたり込んでしまった。(息子5歳)
- 避難所では大人の食糧はなんとか調達できるが、粉ミルクが手に入らない。(中略)震災のショックで母乳がでなくなり、数日は白湯を与えて辛かった。(娘1ヵ月)
地震発生直後、子どもを守ることに精一杯のママの気持ちが伝わってきます。筆者も同じ親として、お1人お1人の気持ちが痛いほどにわかります。
著書には、子どもを守る避難術として、
- 災害時にはエレベーターが止まるのでベビーカーで避難しない。
- ガラスの破片やがれきが散らばって危険なので、歩ける子どもでも基本的に抱っこをすること。
- はぐれた時を想定して、子どもに持たせる避難バックには連絡先や名前の書いたパーソナルカードを入れておくこと。
など、具体的かつ実践的な術がぎっしりと詰まっています。
■ まずは小さな一歩から震災の備えを始めませんか?
子どもを守る為に、水や食料を備える、ガラス窓や鏡には飛散防止フィルムを貼る、家族でルールを話し合う、まずはそんな小さな一歩から初めてみませんか?子連れ防災手帳を手にするのもいいでしょう。
ちなみに筆者は、急病や骨折などの手当てを学ぶべく、ファーストエイドの講習を受講することにしました。震災時の心得も学べるので、有事の際の大きな知識になること間違いなしです。
最後になりましたが、子どもを連れての被災という、おそらくは人生最大の試練を共有してくださった、812人の被災ママには心から深謝いたします。親として「子どもを守る術」を学ばせて頂きました。貴重な体験と英知は大切に活かしていきたいと思います。
[執筆:久保木 惠子(コーチ)]
【参考】
※1. 被災ママ812人が作った子連れ防災手帖(つながる.com編、メディアファクトリー出版、2012年3月)
※写真:PIXTA、本文とは関係ありません