夫婦問題カウンセラーの筆者が、多くの相談を受けていて感じること。それは「結婚生活は難しい」ということです。生まれも育った環境も生活習慣も異なる者同士、身体も脳のつくりも異なる男女が一つ屋根の下に暮らすのですから、当たり前といえば当たり前かもしれませんね。
住まい、仕事、家事分担、育児・教育方針、ライフイベントなど、いろいろなことが待ち構えている結婚生活ですが、夫婦で話合いをするたびに喧嘩モードになるのだけは避けたいですよね。
目次
■夫婦げんかを未然に防ぐステップ5
夫婦げんかが多いと感じている方は、ぜひ次のステップを試してみてください。
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ステップ1.「意見が違って当たり前」を自覚する
まずは、「意見が違うのが当たり前」だと認識、自覚しましょう。夫婦で意見が食い違ったとき、お互いが「自分のほうが正しい」と思っているので、そう簡単には迎合しません。
「どうしてわかってくれないの!」「私の話をぜんぜん聞いてない!」「理解がない!」と、もどかしく感じることも多いと思いますが、人それぞれ考え方が違うのだと肝に銘じましょう。そもそも自分の考え方は絶対に正しいと言えるのかどうかも、わかりませんよね。
自分の口調が強くなっているなと感じたら、一度深呼吸をして気持ちを落ち着かせてくださいね。
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ステップ2. 相手の言うことをまず「受け止める」
次にすることは「受け止める」です。自分の考えが正しいと思っていると、相手にも思い通りに動いてほしいと考えます。ですが、それは相手にとっても同じこと。相手も思い通りに動いてほしいと思っているのです。
まずは相手の言い分に耳を傾け、受け止めます。この段階では、受け入れなくてもかまいません。相手の話に対して、「あなたはそう思うのね」といったん受け止めましょう。
いきなり反対意見が返ってくると、誰しもムッとするもの。一転して険悪ムードになります。意見が違ってもすぐさま反論しないこと。自分の考えや意見を伝えるのは、そのあとです。
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ステップ3. 自分の考えを「冷静に伝える」
相手の意見を受け止めたら、今度は自分の意見を冷静に伝えます。感情的にならずゆっくりと、「私はこう思う。なぜなら、~」と根拠や理由も説明できると、説得力があります。
険悪ムードになりそうなら、「続きは今度にしましょう」と言って、いったん話合いを中止します。ケンカを避け、無理やり相手に合わせたとしても、不満が蓄積してストレスになるだけなので、意見は伝えてくださいね。
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ステップ4. 話合いの目的を意識し「情報収集する」
話合いは勝ち負けではなく、前向きな方法を見つけるための手段です。お互いに自分の考えを主張するばかりでは、平行線のままです。二人だけで結論が出ない場合は、視野を広げましょう。話合いの目的は何かを意識しながら、ネットや専門家から情報収集することで、必ず打開策が見つかりますよ。
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ステップ5. 意見をすり合わせ、「納得の結論を出す」
意見をすり合わせ納得の結論を出します。互いに納得のいくまで話し合い、二人が同意するのがポイントです。
筆者がカウンセリングの現場で、よく話しているのが、「正しさ=幸せではない」という言葉です。多くの事例を見てきても、正しさばかりを追求したところで、決して幸せにはなれない、と感じています。
「穏やかに話合いができる関係」を目指すためにも、ぜひ5つのステップを心がけてみてくださいね。
[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー) ]
【参考】
※ 執筆者:渡辺里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)について。女性専用のカウンセリングサービス『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できる、匿名で話せる、当日予約できるというボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちの夫婦問題・離婚の相談にのっている。
※写真 :shimi / PIXTA、本文とは関係ありません