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子どもを無条件に愛せない…どうしたら愛せる? 親失格?
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子どもを無条件に愛せない…どうしたら愛せる? 親失格?

「ありのままの子どもを受け止めてあげたいと思っているけれど、そのようにできるだけの心の余裕がない。食べ物をこぼしたら、やはり叱ってしまいます。私は心が狭いですか? 母性の足りない母親ですか?」これは、児童精神科医の佐々木正美先生の著書『3歳までの子育てに大切なたった5つのこと』のなかで、親のよくある悩みとして挙げられていた内容です(※1)。

たしかに忙しい朝に子どもが愚図ったり、朝ご飯をこぼして洋服を汚したりすると「この忙しい時に」と、頭に血がのぼって叱ってしまう。育児中の親ならば、一度はぶち当たる悩みだと感じ、今回はこのお悩みにスポットを当てたいと思います。

 

■専門家の見解:子どもを無条件に愛することは簡単ではない

そんなお悩みに対して佐々木先生の回答を要約すると以下の通りです。

子どもを無条件に愛することは簡単なことではない、できなかったからといって、心が狭いなんてことはないから自分を責めないで。今回は否定的に接したとしても、次回に肯定的に接すればいい、とのこと。人から承認されたいのは大人も同じ、まずはママ自身もうまくできていない自分を許すことが大切です。

先生の回答に、親でありカウンセラーでもある筆者は深く共感しました。親といえど人間です。いつでも心の余裕があって、にこにこ笑顔で、子どもの全てを受け入れることは不可能です。そんなことができる親はいるのでしょうか? 少なくとも筆者は無理です。

 

■子どもをありのままに受け止めたいのなら

いつでもありのままの子どもを受け入れることは無理でも、その頻度を上げることはできます。まずは“ありのままの自分を受け止めること”からです。子どもを無条件に愛せない自分を、ありのままに受け止めることからです。「そんな自分がいてもいい、そんな時もあるよね」と自分を受容共感できれば、子どもをそのまま受容共感できる確率もぐっと高くなります。

いかがですか? 佐々木先生の見解にもあるように、そもそも、子どもをいつも無条件に愛することは簡単ではないのです。親は人間であってロボットではないのですから、当然かもしれません。大切なことは、子どもをいつも無条件に愛そうと努力することでなく、まずはどんな“自分”も無条件に愛することから。育児は「育自」。まずは自分を育てることからです。かくいう筆者も、毎日子どもに育てられています、これは自分自身へのメッセージでもあるのです。

[執筆:久保木 惠子(乳幼児ママのサポートコーチ) ]

 

【参考】
※1. 佐々木正美(2013)『3歳までの子育てに大切なたった5つのこと』講談社

※この記事の執筆者:久保木恵子(乳幼児ママのためのサポートコーチ)について。女性専用のカウンセリング『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できる、匿名で話せる、当日予約できるというボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちの相談にのっている。一児の母。

※写真:PIXTA、本文とは直接関係ありません

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