6月第3日曜は父の日。母娘関係改善カウンセラーの筆者のところに来る相談者さん(クライアントさん)は、実は、父親が嫌いだという方が少なくありません。
■母から父親の悪口を連日聞かされて…
相談者さんが言うには、子供の頃は好きだったけれど、小学生高学年あたりからだんだん嫌いになった。さらには、今では憎んでいるという方も。なぜ高学年あたりで嫌いになったのか。それは、当時、母親から父親の悪口を聞かされるようになったからだと言います。
そのような方たちの母親の口癖は、「今はあなた(達)が小さいから、お母さんは我慢しているけれど、いつかあなたが大きくなったらお父さんとは離婚するからね」という内容です。
何度もその言葉を聞かされた娘達は、子供ながらも「お母さんはかわいそうだ」と思い込み、父親を憎むように。相談者さんの中には、「自分が早く働いて自立すれば、お母さんは離婚できる」と考えて大学進学を断念しようと思ったという方もいます。
■離婚する気などまるでない母親
ところが娘が成長し、社会人になっても一向に離婚する気がない母親……。これも相談者さん達の母親に共通している点です。相変わらず、夫婦喧嘩をしては父親に対する愚痴を娘に聞かせる母親。ですが、状況を変えようという意思が見られません。
娘が「お母さん。私はもう働いているのだから、これ以上、お父さんに我慢する必要はないんだよ。離婚したら?」と言っても、母親はあいまいな返事。さらには「そんなにお父さんと別れさせたいの?」と逆切れする母親もいます。それどころか、ときには夫婦で旅行や食事に行くこともあるというのです。たしかに熟年離婚は増加傾向にありますが、いざ実行するとなれば、今の生活を維持するのは困難になります。また世間体を気にする人にとっても、離婚は高いハードルです。
母親が、離婚について本心から言っていないのであれば、娘がそれに付き合う必要はありません。あなたが、状況を何とか良い方向に変えようとして、親身になって母親の相談にのろうとしても、母親本人にその気がなければ何もできません。その時々の感情でものを言う母親に、これ以上振り回されないようにしましょう。
[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー)]