子どもの心を傷つけ、その健全な成長を妨げ、心を蝕む毒親。そんな毒親に育てられた子どもは、成人してもなお苦悩が続くこともあります。親自身が毒親という認識がなく、怒りの矛先がわからず苦悩を抱えている人もいるのです。
■毒親の認識がない親
毒親だという認識がない自分の親に、毒親だと認識をさせたい。自分にしてきたことに対して謝罪をしてもらいたい。しかしながら、自分の言い分を聞いてくれない、それどころか逆に、「せっかく育ててやったのに恩知らず」と怒りを爆発する親もいます。自分の人生を親に滅茶苦茶にされたのに、さらに刃を向けてくる親に怒りを覚え、怒りの連鎖が止まらないケースも。そんな親には、どう対処したらいいのでしょうか?
■毒親は自己中心的
毒親の名付け親である、カウンセラーのスーザン・フォワード氏は、その著書『毒になる親』の中でこう述べています。
“「毒になる親」の場合は、ひとことでいえば考え方が常に自己中心的で、何事も自分の都合が優先する。例えば「子供はどんなことでも親のいうことを聞くべきだ」「親のやり方が絶対に正しい」「子供は親に面倒を見てもらっているのだから、いちいち言い分をきいてやる必要はない」などの考えである。このような考え方こそ「毒になる親」が育つ土壌である。「毒になる親」は、自分の考えが間違っていることを示す事実には必ず抵抗する。(※1)”
この解説は毒親の実態を正確に表現しており、言い得て妙です。そもそも、自分を内省できるのであれば毒親にはなりません。このように、自己中心的で稚拙で視野が狭いのが毒親の特徴です。自分が毒親だと絶対に認めないからこそ、毒親が毒親たるゆえんなのです。とはいえ、加害者が加害者の認識がないのは、被害者にとっては大きなダメージとなります。
■「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」
その気持ちはどう対処したらいいのか。それは、精神科医エリック・バーンの言葉「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」にあります。毒親に限らず、そもそも他人は変えられないのです。コントロール不可能な他人をコントロールしようとするのは、時間と労力を費やすだけで非生産的です。まずはコントロール可能な箇所、自分から手をつけた方が生産的です。ですので、まずはあなたが抱えている親への憤りや悲しみを癒していきましょう。
いかがですか? 毒親という言葉が浸透した今でも、毒親に人生を破壊された苦悩はなかなか理解されないかもしれません。その苦悩は、当事者でなければなかなかわからないものです。そんな当事者しかわからない、他人に理解されない苦悩こそ、筆者のようなカウンセラーを活用してほしいと願います。カウンセラーはいつだってあなたの味方です。
人生はあなたが望めば、いつだってどこからでもやり直すことができるのです。そろそろあなたの人生を取り戻しませんか?
[執筆:久保木 惠子(乳幼児ママのサポートコーチ) ]
【参考】
※1. スーザン・フォワード(2001)『毒になる親 一生苦しむ子供』講談社+α文庫
※この記事の執筆者:久保木恵子(乳幼児ママのためのサポートコーチ)について。女性専用のカウンセリング『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できる、匿名で話せる、当日予約できるというボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちの相談にのっている。一児の母。
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