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「親に感謝できない」私は人として失格? 親子関係
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「親に感謝できない」私は人として失格? 親子関係

「親に感謝をしましょう。親は大変な思いをして、あなたを産んで育てたのだから」…そんな言葉を言われたことはありませんか? たしかに妊娠出産、そして子育ては大変。女性にとって妊娠出産は命がけ、生まれた後も要求の多い赤ちゃんの世話。自分の自由時間や睡眠時間もままなりません。しかし、「親に感謝をしましょう」というのは、画一的な価値観のように思えます。この価値観を押し付けられ、悩み苦しんでいる人がいるのも事実です。

 

■全ての親が、いつでも子どもの味方とは限らない

子どもらしい伸び伸びした幼少期を送った人にとっては、親への感謝は当然かもしれません。しかし、誰しもが幸せな幼少期を過ごしたわけではありません。お酒を飲むと父親はいつも暴力を振るった。常に親の管理監督の下、友人も自由に選べず、友達との交換日記まで親に見られた。「お前は何をやってもダメだ」と貶された。このように心身ともに傷つけられて育つ子もいます。全ての親が、いつでも子どもの味方ではない。これは虐待報道を見ても明らかです。

 

■感謝は自然とするもの

相手が親に限らず、感謝は自然とするものです。感謝の気持ちは強要されずとも、自然と心から湧き出すもの。あなたが親に感謝できないのなら、それはあなたが問題なのではなく、相手に問題があります。あなたは間違っていません。人として失格でもありませんよ。他人から何を言われようが、感謝できないのなら、感謝なんてしなくてもいいのです。暴力暴言を浴びせ、あなたの人格を踏みにじる人を批難こそすれ、感謝をする道理はありませんよね。その相手が親であると、「たった一人の親なのだから」と情状酌量の余地が生じるのはなぜでしょうか? 相手が誰であれ、あなたの尊厳を傷つけることはできないはずです。

 

「育ててもらったのだから感謝をしないと」それは1つの価値観ですが、その価値観が万人に当てはまるとは限りません。画一的な価値観で世の中は計れません。周りが何を言おうと、まずはあなたの感情を尊重してください。親に感謝ができないのなら、しなくてもいい。親が憎かったら、憎んでもいい。それでも、周りの人の言葉に心が痛む時は、心のケアの専門家である筆者のようなカウンセラーやコーチを活用してください。あなたの思いの行き場はここにあります。安心してご相談ください。

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