「私のダメなところ、教えてください…」 筆者のカウンセリングルームに訪れる女性の悩みは、恋愛でのコミュニケーション問題が増える傾向にあります。企業による新卒採用の選考時にも重視されるこの能力、「婚活」「恋活」「就活」中の方はもちろん、夫婦や男女間のコミュニケーションで悩んでいる方に役立つ方法をお伝えします。
■ その方法で通用しますか?
学生時代には男女を問わず友人に恵まれサークル活動やアルバイトをしてきた人も、社会人として新たな人間関係の前では、ままならないことが多くなるもの。「上司力」を提唱している前川孝雄氏によれば(※)、社会経験や世代の違う人たちとのコミュニケーションにおいては、いつも同じであったりひとつの方法だけでは通用しないそうです。様々なスタンスによるコミュニケーションを考えることは恋愛に役立つだけではなく、今まで苦手と感じていた人や年配の方との人間関係に広がりや異業種の人との考え方の相違などにも応用できそうですね。
■ 自分と他人は違いがあって当然
また女性は、男性と比較して脳梁が太く言語コミュニケーション能力が発達しています。コミュニケーションとは自分と他者、女性と男性との違いを認めることから始める第一歩と筆者は考えます。下記のコミュニケーションを多彩にするリストから必要に応じて取り入れてみてくださいね。カッコ内はより高次の目標です。
女性の強みを活かすコミュニケーション
- 自分から歩み寄る (適度な回数で適切な質問)
- 出来ることから声を掛けて協力する (無理のない継続的な関係)
- 様子を見て一歩譲る (視野を広く周囲の状況を把握)
- 距離を保ちながら相手を応援 (相手の気持ちになって考える)
■ 「ダメなこと」など、ないのです
上記リストのようにコミュニケーションでは回数、距離、角度や強弱なども必要です。目には見えない自分と相手との関係性を、形のある「心のベクトル」としてイメージすると捉えやすくなります。
そして、自分がダメだからというマイナスのレッテルを貼らずに、急いで正解を求めないこと。自分の能力が劣っているのではなく、コミュニケーションの方法を変えることを考えましょう。すぐに答えが出る問題よりも、時間をかけて丁寧に説いた問題ほど心にも強く刻まれ、コミュニケーション能力を高める結果へと結びついていきます。
まずは自分と他人との違いを認めることからはじめてみませんか? 少し心が軽くなりますよ!
[執筆:桜井まどか(心理カウンセラー) ]
【参考】
※ 『読売新聞』2014年4月29日, 前川孝雄 『前川孝雄のはたらく心得』(くらし 教育)