地域や社会に貢献したいけれど、ボランティア以外の方法はあるのかな? と考える方に、嬉しいニュース! 5月28日の『日本経済新聞』記事(※)によれば、政府は、新たな資格「子育て支援員」を来年度に創設し、社会に出たい主婦の思いを応援するとのこと。
「子育て支援員」とは、どのような資格なのでしょうか?
■ 保育に関わる資格とは
保育に関する資格といえば、国家資格の保育士。そのプレミアムさは、保育士のみが認可保育所を含む、あらゆる保育施設で働けること。とはいえ、保育士を取得するためには厚生労働大臣指定の教育機関で学び、その課程を終了するか、毎年1回の国家試験に合格するか、いずれかの方法に限られます。(どちらの場合も、受験資格が定められています。)
前者なら最低でも2年間学ぶことになり、後者なら8科目を受験。したがって、すぐに資格取得、すぐに仕事、というわけにはいきませんね。このハードルを下げると期待されている資格が「子育て支援員」なのです。
■ 子育て支援員とは
政府構想をもとに、この資格のメリットを3つに整理しました。
1. 働くチャンスが増える
認可外保育施設(例:家庭内保育、ベビーホテル、小規模保育、事業所内保育)で、保育士を補助する形で働くことができます。認可外保育施設の数は、平成24年3月末で全国で13,648か所(※2)。前年度に比べて約200か所増えています。待機児童解消が求められていますから、今後も増えると期待できます。
さらに政府は、小学校の放課後教室(学童保育)を2万か所に倍増する方針(※3)。学童保育でも、子育て支援員は働くことができます。
2. 研修機会が身近に
国の指針に基づき、地方自治体が研修を実施する構想。時間のやりくりが難しい主婦のために、研修期間を少なくすることも検討中だとか。また、研修内容は全国共通。全国で通用する資格のため、夫の転勤があっても安心です。
3. ステップップの道筋がある
子育て支援員の経験は、保育士受験に必要な実務経験としてカウントされます。
自分が持つ経験や知識を、すぐにフル活用でき得る資格として、「子育て支援員」に関心が高まると予想されます。長期的なキャリア・プランを描くこともでき、気持ちにもハリを持って働けそうですね。
自分にできることで、仕事を通じて地域や社会に貢献したい。そんなあなたの再就職の、最初の一歩を応援しています。
[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント)]
【参考】
※1. 『日本経済新聞』「子育て支援員創設」2014年5月28日1,3面
※2. 『厚生労働省』「平成23年度 認可外保育施設の現況取りまとめ」2014年3月27日発
※3. 『日本経済新聞』「放課後教室を倍増」2014年5月29日5面