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世界的にハイレベルな日本の家事! 手を抜くヒントは?
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世界的にハイレベルな日本の家事! 手を抜くヒントは?

■ 日本の女性は世界でも最長の家事時間

出産後、再び働きたい……という女性のキャリアカウンセリングをしていると、必ずといっていいほど「家事の効率化ってどうしていますか?」という質問を受けます。

実はP&Gの調査によれば「家事が効率化できていない……」と考えるのは日本女性は44.7%。同じ調査でアメリカは16.7%となっているだけに、日本がまだまだ改善する余地がありそうです。
加えて、OECDの調査によると日本の女性の無償労働時間は約5時間と、それはOECD加盟国のなかでは最長レベルです。

筆者は、日本女性の家事労働時間がこれだけ諸外国に比べて長い理由は、日本の男性が長時間労働のため、家事に参加できないということが最たる理由だと考えています。一方で、日本ならではの習慣や女性側が男女の役割分担意識に縛られているということも、理由として挙げられると思っています。

例えば、女性がのほうが男性よりも家事に先に気がついてしまい、伝えるのが面倒だからと自分でやってしまっていませんか? あるいは「他の人のやり方だと我慢できない」と自分で抱え込んでしまっているケースもあります。そのほか「妻・母親とはこうあるべき」といった周囲や自分のなかのイメージによって、無意識にその期待に応えようとしまっているということはないでしょうか。

日本人の習慣としては、毎日お風呂に入る、一汁三菜で献立を考える、といった几帳面な生活の送る習慣があることが考えられます。

 

■ 共働きが前提の諸外国では

一方で海外で共働きが前提の国や社会では、家事に労力をかけずにすむ生活スタイルが垣間みれます。例えば欧米では食事がワンプレートであったり、台湾などは朝食を屋台で済ませたりします。さらに洗濯物は干さずにドラム乾燥、お風呂はシャワーで済ます、あるいはお風呂は毎日入らないため、洗濯物が日本より少ない、などです。男性も家事のハードルが下がれば、積極的に手伝ってくれそうです。ちなみに前述のOECDの調査によると、世界で家事を一番している男性はノルウェーで1日約3時間だそうです。

こうした各国家事事情は電気、ガス、水道といったインフラ整備や、宗教、文化的背景、各家庭環境によって異なると思いますが、もう少し日本人が手を抜いてもいいかな、と思えるヒントがたくさんありそうです。

三食手づくりの食事でなくても、洗濯物をキレイにたたんでいなくても、掃除が毎日できていなくても、子どもにキャラ弁をつくってあげられなくても、ママは自分を責めることはしなくてよいのです。手を抜くところは抜いて、ママがもっとラクにして笑顔でいることが大切なのではないでしょうか。

[執筆:小倉 環(キャリアカウンセラー) ]

 

【参考】
※1. P&Gニュースリリース「台所用洗剤「ジョイ」が7年ぶりに全面リニューアル」2009年8月20日発表より
※2. ニッセイ基礎研究所「「女性活用」は、食育から。-男性が家事しない国ランキング第3位の日本。わが国の人々が「日本らしく」幸せに生きるために」2014年7月14日

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