新しい職場での生活がスタートした方も多いことと思います。ワクワクする気持ちとともに、少々不安にも感じられているのではないでしょうか。「はたらこねっとユーザーアンケート‐新しい職場で心がけること編‐」(※1)によると、新しい職場で最も不安なことは「人間関係がうまくいくか」が第1位で、「仕事をうまくこなせるか」(第2位)を上回る結果となっています。
不安に思っている方が多い職場の人間関係。今回は、少しでもこの人間関係を円滑にしていくためのコツとして、筆者も研修・セミナー等でよく取り上げている「アサーティブ・コミュニケーション」についてご紹介します。
■ 「アサーティブ・コミュニケーション」とは?
人間関係の築き方には、大きく3つのタイプがあると言われています。
- 1. 自分よりも他者を優先し自分を後回しにするタイプ(I’m not OK, You’re OK)
- 2. 自分のことばかり考え、他者を踏みにじるタイプ(I’m OK, You’re not OK)
- 3. 自分のことを大事にするが、他者にも配慮するタイプ(I’m OK, You’re OK)
この3種類です。
アサーションとは、この(3)のタイプのことを指します。アサーティブはアメリカで生まれた概念で、英語のassertiveを直訳すると「自己主張すること」となりますが、ただ自分の意見を通そうとすることではありませんので注意が必要です。アサーティブとは、自分の相手も大切にした自己表現(※2)であり、自分の気持ちを正直に、かつTPOをわきまえた手段・方法にて伝えることが必要です。
■アサーティブ・コミュニケーションの心構え
筆者がカウンセリングを行う中で多いと感じるのは、ノン・アサーティブになっているために自分一人で仕事を抱え込んでしまったり、自分の意見を飲み込んでしまったりしている方々です。「No」ということと、自分の意見を言うこととは違います。自分の思い、考えを押し込めてしまうがゆえに、結果的に自分だけでなく周囲をも苦しめる結果となってしまうことも。言いたいことがあるならば、なるべく早く、堂々と率直に伝えること。さらに、代替案も付け加えると相手の受け取り方が変わってきます。ぜひ意識してみてください。
[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]
【参考】
※1. ディップ株式会社『はたらこねっと』「働く女性の実態調査」2015年3月19日発表プレスリリースより
※2. 平木典子(2009)『改訂版アサーション・トレーニング』金子書房
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