パソコンやスマートフォンなどに向かう時間が増える傾向にある現代人。皆さんも最近、目がかすむ、しょぼしょぼする、充血しやすい…などの症状はありませんか? 「目が疲れているだけだろう」と軽く考えていると、眼精疲労を引き起こしてしまうかもしれません。しかもこの眼精疲労に、ストレスが大きく関係している可能性も指摘されています。
■ 「疲れ目」と「眼精疲労」の違い
厚生労働省の調査(※)によると、パソコンなどのVDT (Visual Display Terminals) 作業における身体的な疲労や症状を感じている労働者の割合は68.6%にのぼっています。そして、身体的な疲労や症状の内容をみると「目の疲れ・痛み」が90.8%で1位となっています。
少し休憩をすれば回復する程度の「疲れ目」であればさほど問題にはなりませんが、休憩をとっても慢性的に疲れ目や視力低下などが出ると「眼精疲労」の状態と言えます。眼精疲労では、目の症状に加え肩こり、倦怠感、頭痛、めまい、食欲不振などの症状が出ることがあります。
■ 眼精疲労の原因にストレスが?
眼精疲労の原因はいくつか考えられますが、仕事上など様々なストレスもそのひとつとされています。特に目が霞んだりする症状は、目のピントを合わせる筋肉(毛様体筋)がうまく機能していないことから生じるものとされていますが、このピント合わせには自律神経が大きくかかわっているのです。心理的なストレスが強くかかると、自律神経のバランスが崩れると、ピントのコントロールがうまくいかなくなり、眼精疲労が引き起こされるという流れです。
自律神経は様々な器官につながるものだけに、単なる疲れ目と思っていたら、肩こりや頭痛、不眠、吐き気などの身体の不調につながる恐れもあるのです。
■ 心身のリラックスが、目の疲れの対策に
しっかり眠ることで、自律神経のバランスが保たれます。夜寝る直前までテレビやパソコン、スマホなどの画面を見ることは、自律神経のひとつ、リラックス効果を持つ副交感神経の働きを妨げ、睡眠の質を落としてしまいます。
日々、心身共にリラックスする時間を意識的に作り出すことで、目の疲れの軽減につながります。ストレスをためやすい生活をしているという方は、趣味や運動など自分ならではの解消法を取り入れることが大切です。
[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]
【参考】
※1. 厚生労働省「平成20年技術革新と労働に関する実態調査」平成21年9月29日