出産後に多くの女性が、夫に対して愛情が急速に冷え込んでいく。産後のこの夫婦関係の変化を産後クライシスと呼びます。メディアで大きく取り上げられ、産後クライシスという言葉が市民権を得て、産後に起きる夫婦関係の変化は周知の事実となってきました。しかしながら、情報ばかりが先行してしまい、出産前から産後クライシスを恐れるプレママもいるのです。
■ 離婚件数のうち、半数以上が子どもが乳幼児期に離婚しています
平成23年の厚生労働省の統計によると、母子家庭になった時の子供の年齢で、一番多いのが「0~2歳」と全体の約3割を占めています。次に多いのが「3~5歳」が2割と、離婚件数のうち、半数以上の人が子供が乳幼児期のうちに離婚しています。この数字を見ても、産後クライシスの影響は少なからずとも見て取れます。
赤ちゃんが産まれることはとても喜ばしいことですが、同時に夫婦関係は正念場を向かえるタイミングのようです。しかしながら、産後は夫婦関係が悪化する傾向にあることを前もって知ることにより、何かしらの対応策は取れるはずです。
■ 産後クライシスへの対応策は3つ
- 1. 産後クライシスを知ろう
- 2. 夫と共有しよう
- 3. 家事育児を可視化して夫婦で分担する
まずは産後クライシスを知り、それを夫婦で共有することです。ここで大切なことは、妻の視点のみならず夫婦そろって産後クライシスを知り、それについて語り合うこと。更に、産後クライシスには夫の家事育児への無関心が大きく影響していることもわかっています。NHKのあさイチに興味深い一文がありました。
現代の女性は子育ては『夫と一緒にするものだ』という意識が強まっています。それに対して夫が『子育ては女性がするものだ』と思って出産前と同じ生活を続けたり、育児への思いやりを示さないでいたりすると女性のイライラが強まり、愛情が冷めるという図式が浮き彫りになりました。(※2)
出産前から家事育児の可視化して夫婦で分担することを習慣化することも、大切な対応策となりますね。
いかがですか? 産後クライシスを知り夫婦で共有し、対応策を立てる。産後クライシスはあなたのみならず、夫婦二人で乗り越えるものなのです。前提として、子育ては夫婦で担うこと。この意識を夫婦で共有していきたいものですね。
[執筆:久保木 惠子(コーチ)]
【参考】
※1. 厚生労働省「ひとり親世帯になった時の親及び末子の年齢」
※2. 『NHK 生活情報ブログ』「”産後クライシス”ひょっとしてあなたも?!」2012年9月12日
※写真:PIXTA、本文とは関係ありません