2011年から3月18日が「春の睡眠の日」と制定されたことをご存知でしょうか。世界睡眠医学協会が3月18日を「世界睡眠デー」と制定したことにちなんでおり、2017年で制定から丸6年になります。さらに、3月18日の前後一週間(3月11日~25日)は睡眠健康週間となっています。普段振り返ることの少ないご自身の睡眠について、この機会に考えてみましょう。
■ 日本は世界的に睡眠不足の国
2014年にOECD(※1)が世界29か国を対象に、15~64歳の国民を対象に平均睡眠時間を調べた統計結果(※2)によると、
・中国 :9時間2分(2位)
・アメリカ:8時間36分(5位)
・日本 :7時間43分(28位)
・韓国 :7時間41分(29位)
であり、最下位の韓国と並んで世界的に睡眠不足の国であるといってよいでしょう。
なお、2009年に行われた同調査では7時間50分が平均睡眠時間だったことから、5年間で睡眠時間が短縮したこともわかります。
その人に必要な睡眠時間は年齢や性別などによって多少差がみられ、「8時間以上寝なくても自分は眠気もなく元気だ」という人もいらっしゃるとは思います。しかし、次のような統計データもあります。
■ 睡眠の時間も、質も不十分な日本人
厚生労働省が20歳以上を対象に、睡眠の質の状況について調べた統計(※3)によると、「睡眠時間が足りなかった」と回答した割合は男性23.2%、女性27.8%。特に男性の30代、女性の20代・40代の4割以上が睡眠不足と回答しています。
また、「睡眠全体の質に満足できなかった」と回答した割合は、男性22.4%、女性23%となっており、男女ともに30代の回答が約3割に及んでいます。ライフステージを考えても、仕事や育児などで忙しくなる30代を中心に、睡眠時間も質も不十分なことが分かります。
さらに、男女比較でも女性のほうが全体的に睡眠に対する不満が多いこともわかります。
■ 睡眠は心身の健康のバロメーター
ついおろそかになりがちな睡眠ですが、栄養・運動と合わせ、心身の健康を維持するために不可欠な睡眠。医学的にも、慢性的な睡眠不足が続くと生活習慣病になりやすく、集中力が続かなくなり仕事のパフォーマンスにも影響が出ることが指摘されています。規則正しい3食の食事、運動習慣に加え、同じ時刻に起床・就寝するリズムをできるだけ崩さないように生活していきたいものです。
[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]
【参考】
※1. OECD(= Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)
※2. OECD based on data from National Time Use Surveys(OECD Gender data portal 2016)
※3. 平成25年 国民健康・栄養調査結果の概要(厚生労働省)
※写真:PIXTA、本文とは関係ありません