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待機児童ゼロ時代【前編】ワーキングマザーの負担感
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待機児童ゼロ時代【前編】ワーキングマザーの負担感

全国最悪の待機児童数だった横浜市が「待機児童ゼロ」になったニュースは、いろいろな意味で衝撃的でした。安倍政権は5年間で全国の待機児童解消を目指しており、数年後には「待機児童」という言葉すら消えるかもしれません。安倍首相としては、労働人口問題を解消する対策のひとつとして、子育て中の女性にもっと社会復帰してもらう目論見だと思いますが、出産を終えた女性の心境は複雑です。

 

■社会復帰意向と保育園ニーズ

仕事をしていた女性の全員が、復職を考えているわけではありません。復職への意向別によって、大きく3タイプに分けられます。

  1.  (すぐにでも)仕事に復帰したい女性
  2.  専業主婦として育児にとりくみたい女性
  3.  妊娠中は仕事に復帰しようと思っていたが、出産してみると赤ちゃんとずっと一緒にいたくなり、心決まらぬままタイムアップとなって仕事に復帰する女性

1番目の「仕事に復帰したい」女性にとって、待機することなく保育園に入れることは歓迎すべき政策です。病児保育や突然の残業の対応等、より仕事がやりやすい環境を整えるサービスを追及していくことでしょう。

2番目の「専業主婦」を目指す女性にとっては、自分が育児全般を担当するので最初は保育園という選択はあまり考えていません。しかし子供の年齢が上がるにつれ、活動領域の拡大していくことや、他の子供たちとの遊びも必要になり、自力だけでやっていくことに限界を感じてくることも。そこで預け先として保育園か幼稚園を検討するタイミングがやってきます。

3番目の「心決まらぬ」女性にとっては、ある意味保育園という選択肢があること自体に迷ってしまいます。子供を預けて働きに出るべきか、自分で保育すべきかで葛藤します。

 

■仕事と育児。両立といっても…

「仕事に復帰したい」女性、「心決まらぬままタイムアップがきて、仕事に復帰する」女性については、仕事に復帰した後で、夫や祖父母の育児参加が少なければ、仕事と育児の双方の責任を背負い、その重圧に苦しむことも。

貯まったストレスを仕事帰りに“赤提灯”で発散することもなく、職場から保育園に直行して子供を迎えに行き、ひたすら子供のお世話をして、子供の就寝後に家事や残務処理をこなす。子供が熱を出せば、仕事をやりくりして駆けつけ、仕事に穴をあけた分どこかで挽回しようと頑張る。こんな日が続くと、心身共に疲弊して体調を崩したり、なにかのきっかけでストレスが爆発したりすることもあります。

 

本当に女性の社会復帰を応援するのであれば、単に保育園があればいいというわけではありません。育児は「母親が全て負担するのではなく、夫や他の家族も負担するもの」という意識と、「息抜き」の場を確保しておくことが重要だと思います。

後編では、保育園が子供に与える影響に関する研究結果を中心に、自宅育児について考えていきます。

[執筆:マキコ・アサエダ(産後ライフプランナー)]

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