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二世帯住宅を熱望する実母…同居の決心がつかない時は
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二世帯住宅を熱望する実母…同居の決心がつかない時は

■ 二世帯住宅

お正月、実家に帰るたび親から同居しないかと言われ、憂鬱になる人もいるでしょう。 両親だけの生活は大丈夫かと思っている娘の心配を見透かすように、さりげなく二世帯住宅のパンフレットなどを広げる母親もいるようです。

二世帯住宅研究所の調査報告書によると、2011年における二世帯住宅建て替え契約時における親世帯の平均年齢は67.6歳。子世帯は38.7歳となっています(※)。70代を目前に老後を案じるようになるのかもしれません。

 

■ 同居に踏み切れない……、躊躇する娘の本心

同居を提案する母親の切り札は孫の世話です。保育園の送迎や病気のときの世話、残業や休日出勤などでベビーシッターの依頼を考えると、経済的にも助かります。メリットを次々と挙げる母親に対して、たしかにその通りだとは思う一方、なかなか決心がつかない娘。その裏には、母親への感情、嫌悪感があります。

母娘関係改善カウンセラーの筆者のところには、同居しようか悩む娘さんからの相談が寄せられます。そのほとんどが、母親とようやく離れられたのにまた同じ屋根の下に暮らせるか不安だというもの。このような場合は、メリットとデメリットをリストアップして、気持ちを整理してみましょう。

同居の場合は家賃やベビーシッターの出費なども抑えられ経済的メリットが考えられます。さらに子供の世話も頼めることから、仕事がしやすくなるかもしれません。一方のデメリットでは、経済的メリットを期待していたにもかかわらず、光熱費の負担など親から頼られてしまうケースもあります。しかし、一番に考えるべきは、親と四六時中顔を合わせることにより生じるストレスです。自身の精神的負担が大きくなれば夫や子供、あるいは仕事にも影響するでしょう。それを考えたら、嫌いな親との同居は慎重に決めた方がいいでしょう。

二世帯でなくても実家の近距離に暮らす方法もあります。どうしても同居せざるを得ない状況になったら、親への感情を一度見つめ直す必要があるかもしれません。そして、今までの関わり方ではなく、新たな関係を築くことを認識しておくべきでしょう。

[執筆:真香(母娘関係改善カウンセラー)]

 

【参考】
※ 旭化成ホームズ『くらしノベーション研究所』「イマドキ親世帯の実家ネットワーク」pp.9

※写真:(c)nyul / 123RF.COM、本文とは関係ありません

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