秋から冬にかけて特に、腰痛の症状を訴える方が多くなります。これらの痛みには、神経の障害による痛み、骨・筋肉の障害による痛みなど複数の原因が考えられますが、なかには整形外科で検査をしても原因が特定できない「心因的腰痛症」があると言われています。

 

■ストレスから腰痛に?

「精神状態が膝の痛みに関連している場合がある」とした報告が出されるなど、近年ストレスと痛みとの関連が注目されています。不調の現れ方には個人差があり、身体の不調として出ることもあれば、心の不調としてでることもあります。心の不調から身体の不調につながる例も多くあります。

医学的には原因不明の腰痛のことを「非特異的腰痛」といい、レントゲン検査やMRI検査をしても特段組織に異常が見られないストレス・不安・鬱といった心理的・社会的要因が関連しているものを「心因的腰痛症」と呼んでいます。この心因的腰痛症が、腰痛全体のおよそ半分はあると言われています。

 

■ストレスでなぜ痛みが生じるのか?

痛みの信号は、神経から脳に伝達されます。しかし、人間の脳にはこの痛みをコントロールしようとするメカニズムがあり、些細な痛みであれば感じないようにブロックし、大きな痛みでもある程度ダメージを抑えてくれています。

このメカニズムですが、ストレスや不安状態が慢性的に続くことでうまく機能しなくなると言われています。普段なら感じていなかったような痛みも強く感じられるようになることが原因の一つとされています。

 

■心因性腰痛症の特徴とケア方法

通常の腰痛は姿勢や体勢に依存した痛みが生じますが、心因性腰痛症の場合姿勢や体勢に関係なく痛み、また痛む箇所や痛みの大きさも時々で変化することが特徴です。また、プレゼンの前や苦手な人と会うときなど、ストレスがかかるときに痛みやすくなる場合も、心因的腰痛症の可能性が高いと言えます。

この場合、整形外科に行っても満足のいく治療を受けることは難しくなります。ストレスがかかるときに痛むのであれば、その不安・ストレスのもとになっている要因をはっきりし、軽減させることが必要になるでしょう。もし検査をしても症状が治まらない場合は、ぜひ心理カウンセラーに相談するなど、心のケアもしていただくことをおすすめします。

[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー), 2015年11月26日]

 

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