2016年2月、ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんが書いたコラム(東京新聞2月12日掲載)が話題になりました。高嶋さんは子供達とゲーム機に関するルールを決め、それを守らなかった場合は壊してもよいと長男が言ったとか。そして、コンサートを終えて帰宅した夜、長男が約束を破ったため、高嶋さんはゲーム機を壊したという内容です。

家族のルールというのは当然ながら様々で、高嶋さんの場合は親子で話し合って決めたそうですが、一方的に親が定める場合もあります。また守らない場合のペナルティの有無もケースバイケースでしょう。

家族ルールは子供のしつけの一環として重要視する親もいます。しかし、それを守る事が子供にとってとても負担であったら、心理面でどのような影響を受けるのでしょうか?

 

■ ルールに縛られ、自主的判断が困難に

母娘関係改善カウンセラーの筆者のもとには、家庭のルールがあまりにも厳しかったために、自分で判断できないという方が結構来られます。

神奈川県在住のD子さん(26歳)のケースです。D子さんは、両親が決めた家族のルールを徹底して守るように厳しくしつけられました。起床から就寝まで生活の中であらゆる事が細かく決められ、大学生の時は門限があまりにも早く、バイトの時間や交際範囲が制限されることに。

さらにD子さんを苦しめたのはルール違反のペナルティです。一番困ったのは守れなかった時にお小遣いを減らされることで、様々な支障が出ました。たとえば誕生日プレゼントを贈ることもできず、友達づきあいをあきらめる事もあったそうです。

こうして就職して社会人となったD子さんですが、職場では指示待ち態度を指摘されてもどうしたらいいかわからないと言います。また些細なことでも自分では判断ができず、上司や先輩から許可を得ないと先に進められない時があります。

D子さんは規則厳守を最優先する家庭で育ったため、自分で物事を決める機会があまりないままに成長しました。大人になった現在、ルールがないと逆に不安なのです。このような場合は、一度生活を見直してどれが規則でどれは自分で自主的に行っているのか境界線を見分けられるようにしましょう。それができるようになると、このルールに縛られる必要はないという意識が生まれてくるはずです。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー), 2016年3月18日]

 

【参考】
『j-castニュース』「「ルール違反した息子のゲーム機バキバキに折った」高嶋ちさ子氏の子育てコラムに賛否両論」2016年2月15日
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