キャリア相談を受けていると、働く女性や就職を目指す女子学生から、よくこんな言葉を聞きます。

「産休や育休の取れる会社に転職・就職したいんです」

これは産休(産前産後休業)や育休(育児休業)についてよく知らない、ということでしょう。平成26年に一部改正実施になった部分は特に重要です。今回は産休の制度について改めてご紹介します。

 

■ 産休の基本知識

ご存じの方も多いと思いますが「産休制度のない会社」はありません。

「産休」とは産前産後休業のことで、女性が出産の前後に取得できる休暇です。育児休業とは違い、女性しか取れません。労働基準法によって定められていますので、どんな会社でも取得できる休暇です。産後休業は出産後に必ず取る必要がありますが、産前休業は出産予定日前6週間までに、従業員から請求すれば取得できます。産後については基本8週間で、産後6週間以降は医師が許可すれば働いてもよいことになっています。

また、意外と知らない方がいるかもしれませんが、産休は雇用形態に関わらず誰でも取れます。正社員、契約社員、派遣社員、パートタイマーなど、どこかに雇われている労働者であれば良いのです。正社員ではない有期雇用の働き方の人は、自分から申請しにくいということはあるでしょう。しかし、産休後も契約が切れるのでなければ取得できます。

なお、会社側は産休中の従業員に賃金を支払う義務はありません。会社の規定によっては支払われることもありますが、賃金については無給の場合が多いです。

 

■ 産休中の収入と平成26年の大きな制度変更

「えっ? 無給なの?」と思った人もいるかもしれませんね。ご安心ください。確かに賃金としては無給の場合が多いですが、健康保険に加入している労働者であれば、出産育児一時金や出産手当金が健康保険から支払われます。

そして、平成26年の制度改正により、今まで大きな問題となっていた「産休中の社会保険料」が見直されました。会社からの申請があれば、社会保険料は本人も会社負担も免除となったのです。しかも、厚生年金については、免除の期間も年金加入月数にカウントされるのです。

保険料負担が免除されることは会社側にとっても朗報ですが、会社によっては人事担当者や経営者がこの変更を知らない場合がありますので、出産予定の人は確認するとよいでしょう。

 

いかがでしたか? 以前と比べ、法律も女性が働きやすいようにどんどん変更されています。自分が仕事を続けやすいように、役立つ法律の知識はぜひ持っておくようにするとよいですね。

[執筆:渡部 幸(コーチ/キャリアコンサルタント), 2017年3月28日]

 

※写真:PIXTA、本文とは関係ありません