日本の男性の育休取得率は、2012年度では1.89%と、ドイツの27.3%、イギリスの12.0%など海外の先進国と比べても非常に少なくなっています。 男性の育児休業取得率を2017年までに「10%」に引き上げることが、政府のワーク・ライフ・バランス行動指針の数値目標で示されていますが、あと4年で追いつけるでしょうか? 行政や企業でも様々な施策が始まっているようなので今日は最新情報をご紹介します。
■ 育児休業給付が増える!?
日経新聞によれば、厚生労働省は10月29日、育児休業の間の所得を補う「育児休業給付」を拡大する案を専門部会に示したとの報道がありました。現在は原則子どもが1歳になるまで育休前の賃金の5割を補償されていますが、育休の当初半年間に限って3分の2に引き上げるとのこと。 収入が減るため育休取得に消極的だった男性に、取得を促す狙いだそうですが、果たして効果があるでしょうか!?
育休の当初半年間は、夫婦それぞれにあてはまるそうなので、育休を半年ごとに交代で取れば、妻だけが1年取るよりも、育休前賃金の3分の2をもらえる期間が半年長くなります。夫婦で半年ごとに育休がトレンドになる日も近いかもしれません。
■ 男性部下が育休取得で上司の評価アップ!
また10月22日放送のNHKニュース特集「男性社員も育休を! 取得率向上をどう実現」では、大手生命保険会社の事例が紹介されていました。 この企業では、ワーク・ライフ・バランス施策として連続5日以上の育休を男性社員が取得した場合は、その上司に管理職としての評価ポイントをつけるという人事制度を導入。昨年1年間で男性の育休取得率が1.1%から16.7%へアップしたとのこと! 部下が休めば上司が評価される、というわかりやすい施策は効果が高そうですね。
とはいえ、まだまだ男性が育休を取ることに違和感を感じる管理職が多いのが現実。実際に上司に「そんなに休暇を取ったら仕事が無くなる!」などと理解の無い発言、いわゆるパタニティ・ハラスメントを受ける男性社員がいるのです。今後、男性の育休取得率アップの波に乗り、管理職の意識改革は今後どれくらい進むのか注目です!
[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー) ]
【参考】
※ 『日経新聞』2013年10月29日「所得補償、当初半年は育休前の3分の2 厚労省が拡大案」
※ 執筆者・藤崎葉子のワークショップ申込受付中/2013年11月22日『育休明けへの”心の準備”座談会 ~第2弾・保活対策と保育園生活の準備!~』子連れOK