働きながら子育てをしていると、どうしても育児に手をかける時間が無く、いつもうしろめたさや不安を感じてしまいがち。しかし今年、プラチナ構想ネットワークが実施した「女性の活躍」に関するアンケート(※)によれば、母親が仕事を持つことが子どもの育成に良い影響を与えるという結果が得られたとのこと。それは、どんな内容なのでしょうか。
■ 働く母の度合い
本調査では、働く母親の定義を、年収300万円以上の女性をバリキャリ、300万円以下をゆるキャリ、収入なしをハウスワイフと定義している点も興味深いと思います。家事育児を全部妻が引き受けようとすると、やはり働いていると全ては難しく、どうしても夫や祖父母、ベビーシッターや近所の人など育児に関わるメンバーが増えていきます。年収が上がれば上がるほど、働く時間も長くなると予想されますので、子育てを母親以外の人に協力してもらうシーンも増やさざるをえません。また、家事に関しても子ども自身にも“お手伝い”という形で家事に参加させる度合いが増えます。
■ てきぱき・はきはきした子どもに
アンケートの結果によると、「子どもに家事の手伝いをさせることが多い」「祖父母や近所の人たちに子どもの面倒を見てもらうことが多い」ほど、子どものてきぱき度・はきはき度が高くなっていることが表れています。
実際に、「子どもに家事などのお手伝いをさせることが多い」という項目では、バリキャリの54.2%が「まあ当てはまる」と答えているのに対し、ゆるキャリは35.3%、ハウスワイフは32.7%にとどまっており、「祖父母や近所の人たちに子どもの面倒を見てもらうことが多い」という項目では、バリキャリの16.9%が「とても当てはまる」、32.2%が「まあ当てはまる」と回答し、全体の49%が、なんらかの面倒を見てもらっているという結果で、ゆるキャリの場合は、29.9%、ハウスワイフは、14.8%と、面倒を見てもらう割合が低くなっています。
■ 母親を起点とした社会とのつながり
最近、ある働くママから、「週末のママよりも、キレイにお化粧してちゃんとした格好で出かける平日のママが好き」と子どもから言われたというお話を聞きました。5歳になる筆者の子どもも仕事で関係する人の名前を覚えたり、「上司って何? 社長って何?」とよく聞かれます。こんなふうに母親が社会とつながりを持つことで、自然と子どもも社会に対する興味関心を増やしているのだと実感することは多々あります。夫婦共に働く事の良い面にも着目して、子育てに自信を持ちたいものですね。
[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー)]
【参考】
※プラチナ構想ネットワーク「『女性の活躍』に関するアンケート」(2014年5月実施)
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