昨年給付があった、「子育て世帯臨時特例給付金」。2014月1月に児童手当受給者を対象として支給された給付金だったのですが、開始からわずか1回で終了となってしまいました。給付額は子ども一人につき一万円。決して高額ではなかったのですが、子どもが複数いる家庭ではまとまった金額となり、増税の負担だけが残ってしまいそうです。
■ 給付金ってどんな内容?
給付金が導入された背景は、2014年4月から引きあげられた消費税の経済対策としてです。受給対象も前年度の収入を考慮し、2014年1月分の児童手当受給者を基本として、前年の所得が児童手当の所得制限額以下の家庭の子どもが対象となりました。児童手当をもらっている家庭では一万円が増えたことになります。
■ なぜ給付金が廃止になるの?
給付金が廃止になる理由はズバリ、消費税10%が先送りになったためです。
給付金はもともと消費税が8%、10%と上がることへの経済対策として設定されたため、10%の引上げが先送りになったことから財源の見通しが立たなくなり、給付金を捻出することができなくなりました。
ひと家庭では数万円の手当だったのですが、総額で考えると1,300億円が給付されました。給付の際に必要となった事務費などを合わせると、総費用は1,473億円だったとのこと。金額が大きすぎてハッキリ言ってよくわからないほどですが、総費用はとにかく相当な金額がかかったことがよくわかります。
もともとある財源から費用を出すのではなく、新たに回収したお金から出そうとしていたため、費用を捻出することができなくなり、廃止することになったのですね。
税金アップがなくなったので一般家庭の負担がなくなったように思えますが、すでに消費税は5%から8%に上がっているため、日々の生活の中での負担は生じています。一度もらえていたお金がもらえなくなるのは、とても厳しいものです。
政府はもう一度、子育て臨時給付金について検討するとのことなので、今度は給付が始まったらなくならない方式を期待したいですね。
[執筆:三木育美(保育情報アドバイザー)]
【参考】
※『Economic News』「臨時給付金カットで増税の負担重くのしかかる」2014年12月28日