今年も10月1日より、「ピンクリボン運動」が始まりました。乳がんの患者団体などの呼びかけでスタートしたもので、乳がん検診を受けるよう呼びかけるために毎年10月に行われています。今回はピンクリボン運動にちなみ、乳がん検診について取り上げます。
■ 乳がん検診、受けていますか?
先日、タレントの北斗晶さんが乳がんを公表し、大きな話題になりました。女性の12人に1人が乳がんになると言われる中、日本の乳がん検診受診率は国際的にみてもかなり低い現状があります。日本医師会のホームページによると、受診対象となっている40歳以上の平均受診率は27.4%。胃がんや肺がん検診と比べても、受診率が低い結果となっています(※1)。
■ 乳がん検診はどこで受けられる?
(1)職場での検診
会社員の方は、職場が実施する検診を受診することができます。40歳以上の場合、後述のとおり自治体での検診を受けることも可能です。職場が検診費用を負担する場合としない場合とありますので、両方の内容を検討したうえでどちらの検診を受診するか選択することになります。
(2)自治体の検診
2004年より、国のがん検診指針にて40歳以上の女性に対し、2年に1回のマンモグラフィーおよび視触診による検診が推奨されています。費用負担は自治体によって異なりますがおおむね1,000円~3,000円くらいです。また乳がん検診の無料クーポンも、5年に一度配布されるようになっています。
ただ、対象年齢であっても、申込者が多い場合に抽選で受診数を限定している自治体も見られますので注意が必要です。
(3)自己負担での検診
40歳未満で職場や自治体の検診対象外の方や、先述の自治体検診の抽選に漏れた方、2年に1回ではなく毎年受けたい方などは、自己負担での検診となります。費用はクリニックにもよりますが10,000円前後になるところが多いようです。筆者も30歳前に乳がん検査を初めて受けて以来、毎年必ず受診しています。
■自覚がなくても検診を。早期発見で治る乳がん
乳がん検診は、自覚症状が出てから受けるものではありません。早期発見で適切な治療を受けることで、9割の人が10年生存しているというデータもあります。病院に行くのが億劫だったり、なかなか平日に行けないという方は、毎年10月第三日曜日(2015年は10月18日)に乳がん検診マンモグラフィー検査を受けられる環境づくりがされています(※2)。この機会に受診してみてはいかがでしょう。
[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]
【参考】
※1. 日本医師会「日本のがん検診データ 知っておきたいがん検診」
※2. 認定NPO法人J.POSH「乳がん検診マンボグラフィー検査を受けられる日曜日」
※写真:Alexander Podshivalov / 123RF.COM、本文とは関係ありません