先日のニュースで、祖父母が孫のために休暇を取れる企業が登場していると取り上げられていました。また、自治体でもそのような企業の後押しをして、孫のための休暇を支援している所があるようです。その内容はどういうものでしょうか?
■ 企業の取り組みをご紹介!
例えば、第一生命では「孫誕生休暇」があり、孫が誕生した時に最大9日まで連続での休暇を取得できます。特別休暇や有給休暇などを組み合わせて取得するとのことです。
福島県に本店を置く地方銀行の東邦銀行では、「イクまご休暇」制度があります。未消化の有給休暇を最大120日間積み立てておき、孫の看護や孫のための休暇として利用できるそうです。
子どもが病気になった時など、自分の親が働いている場合は頼れない事が多く、夫と時間を調整したり、ベビーシッターや病児保育などを利用することによって何とか乗り切っている事が多いですよね。実父母や義父母が、孫のための看護休暇を取得できるのであれば、親を頼ることができ、とてもありがたい制度といえます。
■ 自治体の支援は?
福井県は「育休等取得促進奨励金」というものがあり、就学前の孫のために連続10日以上の休暇を取得すると、企業に10万円の奨励金を支給します。10日の休暇の取り方は1回で連続10日以上の休暇を取ってもいいですし、2回に分けて休暇を取っても良いこととなっています。
岡山県は「孫育て休暇奨励金」を設けています。県内の300人以下の事業所が対象となり、企業が孫育て休暇を制度化し、社員が1日以上取得した場合、5万円の奨励金を支給するというものです。
■ このような動きになったのはどうして?
祖父母が育児のための休暇を取ることは、今までであまり考えられなかったことです。このような取り組みを行う背景には、祖父母も両親も働く家庭が増え、祖父母を頼りたくても頼る場合には祖母が仕事を辞めて対応するケースがあったり、結果的に誰も頼れない母親もいるためです。また、子どもを育てる環境が整っていれば、あと一人子どもが欲しいと考えている保護者もいるため、出生率も上がると考えられます。
子どもを育てる環境の変化はとても速くなっています。来年はこのような制度が広がっているのか現状維持なのかさえ、予測できません。制度の変化があれば、今後もご紹介していきますね。
[執筆:三木 育美(保育情報アドバイザー)]
【参考】
※ 『産経フォト』「孫育て休暇、導入広がる 共働き両親を手伝う」2015年10月13日
※ 『YOMIURI ONLINE』「孫のため、祖父母の育休制度が登場」2015年11月04日
※ 児童福祉法では「保育所」の表記が本来の名称ですが、一般的ではないため、本記事では「保育園」と記載しています。