夫婦問題の相談を受けている筆者のカウンセリングでは、これまで、夫か妻のどちらか一方が、配偶者に内緒でカウンセリングを受けるケースが多かったのですが、最近は「夫婦ペア対面カウンセリング」が増えています。ご夫婦一緒に来られるのですが、筆者のカウンセリングの場合、最初に夫と妻がカウンセラーと一対一でお話した後、夫婦同席でカウンセリングを行い、ともに解決策を探っています。
■ 二人きりの話し合いは感情的になりがち
「二人でカウンセリングを受ける」ということは、二人に共通の思いが存在していること。ある程度、コミュニケーションがとれている状態です。夫婦問題は家庭ごとに異なるので、具体的な内容をお聞きしなければ、的確な判断はできませんが、どちらかというと「修復の可能性」が大きいといえます。
夫婦二人きりの話し合いは、つい感情的になりエスカレートしがちです。本心とは裏腹に願ってもいない方向に進んでしまう場合があるので、こんな時はぜひ、第三者の長期的・俯瞰的な視点とアドバイスを参考にしてみてください。
■ 意外と多い「思い込み」や「勘違い」
夫婦ペアカウンセリングで、夫と妻、双方のお話を詳しく伺っていると、意外と「思い込み」や「勘違い」をしていることが多いことに気づきます。
おもに妻側に多いのですが、自己評価が低く、「夫に責められている」と勘違いしていたり、「怒られている」と思い込んでいるケースがあるのです。
夫「え、そんなこと考えていたの? 全然違うのに……」
妻「私の考えすぎだったのね。なぁ~んだ」
と拍子抜けしてしまうようなシーンも実際にありました。人は、憶測で物事を考えることが往々にしてありますが、これは自分で勝手に想像を膨らませたのであって、事実とは異なりますよね。
■ 小さな不安は、その時点で質問して解消
男性は、女性に比べ、感情を言葉にして伝えるのが不得手な人が多く、言葉不足で誤解を招いていることもあります。一方、常に共感と理解を求めている女性は、夫婦間の会話が少ないと寂しさを感じてしまうです。
勘違いや思い込みは極力避けたいもの。心の中は見えないので、小さな不安のタネが生じたときは、その時に素直に質問してモヤモヤを解消してくださいね。
[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)]
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