今ではすっかり認識されつつある「男女の脳の違い」。夫婦問題に関するカウンセリングを行う筆者も、男女で感じ方・考え方そのものが異なるゆえに、夫婦間で誤解が生じている事例を多く見てきました。
■ 女性は会話そのものを楽しむ傾向に
「えっ、何でそんなふうに受け取っちゃうの?」
「そんなつもりで言ったわけじゃないのに……」
あなたもパートナーとの会話で、そう感じた方も少なくないのでは? でも、それは相手にとっても同じです。あなたが普段何気なく話している言葉を、不愉快に感じているかもしれません。
大概の男性は、結論重視です。無意味な会話は不要だと考え、明確なオチと結果を望んでいるところがあります。一方、女性は、たわいないおしゃべりそのものを楽しむ傾向があり、たとえ結論が出なくても、自分の想いや考えを理解し、共感してもらえるだけで大満足。
男性からすると、結論のない意味のない(と感じる)おしゃべりが、どうしてそんなに楽しいのか、理解しがたいかもしれませんね。
■ 夫がムッとする、妻の何気ないひと言とは…
妻が投げかける何気ない言葉に対して、夫がムッとした表情を見せたら要注意です。
「最近仕事の調子はどう?」という妻からの何気ない言葉もそのひとつ。
まったく悪意なく投げかけた言葉……。ですが、夫側からすると、「よくわからない仕事の話をしたところで、理解なんてしてもらえないんだから、あまり興味のない仕事の話題はしないでほしい」というのが本音のよう。(もちろんすべての男性に当てはまるわけではありませんが)
丁寧に説明したところで、「へぇ大変だね」と安易な答えが返ってくるだけなので、無意味な会話だと感じてしまうようです。
■ 「きちんと向き合ってほしい」女心
そして女性である多くの妻は、「わかってほしい」「ゆっくり話を聞いてほしい」と感じています。自分の想いに共感し理解してもらいたがっているのです。
それなのに、うわの空で耳を傾けてくれない夫に不満が募ります。きちんと向き合ってくれない夫に、心が離れてしまったような寂しさを感じるのですが、じつは、夫には悪意はないのです。(器用に対応できないだけだったり……)
男女がお互いを理解し合うというのは本当に難しいことなんですね。でも、できれば夫婦仲良く過ごしたいもの。夫婦の心のすれ違いは、脳の仕業かもしれません。無駄な摩擦をつけるためにも、ほんの少し、会話の仕方を意識してみませんか。
[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)]