新年度となる4月に、職場でも新しいプロジェクトが発足したり、異動や新天地での生活がスタートした方もいらっしゃるでしょう。筆者が様々なプロジェクトに関わってきた中で、新しいことを始めるときに、まだやってもいない段階で最初から「できない」と言う方と、「やればできる」と思う方がいます。この違いはどこからくるのでしょうか。
◼︎ 「できる」「できない」両者の思い
まず新しいプロジェクトの前に、やる前から「できない」と発言する方とお話しをすると、「できない理由」が次々と出てきます。その理由の中には、自信がないということもあるのですが、外部要因(時間、費用、人員など)の一つ一つを考えて、
・時間がない
・費用がない
・人員も足りない
などという、現状の「ないもの」に焦点が当たっています。しまいには、「こんなに条件が揃っていないのだから、できるわけがないのでやめましょう」などと言い出すこともあります。
一方で、「やればできる」と思っている方に、同じ局面においてどのように考えているかと尋ねてみると、
・どうしたら、効率良くできる?
・どうしたら、費用をかけずにできる?
・どうしたら、少ない人員で実行できる?
のように、どうしたらできるかという「方法」に焦点があたっています。その上「このプロジェクトが成功したら、こんな可能性が待っているかもしれない」という、複数の明るい未来像の回答が返ってきます。
◼︎ 積み重ねが大きな差に
いずれの場合も、新しいプロジェクトを始める前の段階で、どんな思いでその後の行動するかで、結果が変わってくることを実感しています。
たとえ、そのプロジェクトが成功しなかったとしても、前者の方には「やっぱり上手くいかない。自分の考えは正しかった」という経験が刻まれ、後者の方は「やることはやった。次に生かせることは何だろう」と達成感と改善の力が生まれます。
長く働くなかで、このような体験の積み重ねがやがて大きな差となって表れてきます。
未来は誰にも予測できませんが、せっかくの新しいプロジェクトの機会に恵まれたら、「どうしたらできるか」という「方法」を考える思考を身につけていきましょう。
[執筆:久保田 一美(キャリアカウンセラー) ]
【参考】
※ 執筆者:久保田一美について。女性専用のカウンセリングサービス『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できること、匿名で話せること、当日予約できるボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちのキャリア設計や働き方、ワークライフバランスの相談にのっている。