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生活は「バランス」より「ハーモニー」、言葉を大切に

生活は「バランス」より「ハーモニー」、言葉を大切に

仕事と家庭の調和とは、一般的には「ワークライフバランス」と称され、今となっては誰もが知る言葉として浸透しています。しかし、この考え方が生まれたのはいつからでしょうか。またこの言葉からの影響を考えてみましょう。

 

■「ワークライフバランス」という考え方の普及

「ワークライフバランス」という考え方が生まれたのは、1980年代のアメリカとされ、その後日本でも1990年以降に聞かれるようになりました。

1990年以降にバブルが崩壊し、景気が低迷。さらに少子化、高齢化による労働力低下の課題が浮き彫りになり、女性がライフイベントを迎えても社会で働く機会の増大や戦力として重視されるようになってきました。

また、コミュニケーション手段を大きく変えた、Eメールの普及や、様々なITの導入が働き方の生産性を上げた一方で、人の精神状態へも大きく影響し、うつ病などの発生などが急激に増えたのは、これ以降からとも言われています(※1)。

 

■「バランス」より「ハーモニー」

このような時代背景とともに、「ワークライフバランス」という考え方や言葉が普及したのですが、これは「仕事と家庭の調和」と訳されています。しかし、日本人にとって「バランス」というと、例えば天秤であったり、シーソーであったり、2つのものの「釣り合い」を取るようなイメージを受けてしまいがちです。
そのようなとき、「仕事か、家庭か、どっちが大事なのか」という論点になりますが、本来仕事はライフ(人生)の中の一部であり、どちらも大切なもの。その両者を比較するものではないはずです。

筆者が研修や講演などをする際は、仕事とそれ以外の調和は「ワークライフハーモニー」とお伝えするようにしています。これは「ハーモニー」も「バランス」も同じ調和という意味なのですが、後者のハーモニーという言葉は、日常において音楽や色彩の調和を表す時によく使われ、「色彩が見事に調和する」「素晴らしい音色を奏でる」というシーンを思い起こさせてくれるからです。

これは、仕事を家庭やプライベートに持ち込んだり、 家庭やプライベートを仕事に持ち込んだりということではなく、仕事とそれ以外同士も、互いに良い影響を与え合うイメージです。そのように影響し合った場合、綺麗な色が出来上がり、美しい音楽が生まれるように、良いライフを送るという考え方です。

 

人は言葉から大きな影響を受けながら生活しています。だからこそ、毎日の生活を過ごす時は、「ワークライフハーモニー」とイメージしながら過ごしてみるのはいかがでしょうか。

[執筆:久保田 一美(キャリアカウンセラー) ]

 

【参考】

※  執筆者:久保田 一美(キャリアカウンセラー) について。女性専用のカウンセリングサービス『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できること、匿名で話せること、当日予約できるボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちのキャリア設計や働き方、ワークライフバランスの相談にのっている。

※1. 厚生労働省「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス うつ病とは」

※写真: PIXTA、本文とは直接関係ありません

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