筆者は、夫婦問題に特化したカウンセリングを行っていますので、おもに「夫婦関係」に関する悩みや問題についてご相談を受けています。その内容はさまざまですが、おもに、配偶者の「浮気」や「暴言・暴力」に関する悩みや、「価値観の相違」「性格の不一致」「モラハラ」「セックスレス」などがあります。
コロナ禍のいまは、ライフスタイルの変化や夫婦が一緒に家にいる時間が長くなったことで、夫婦がどう向き合ったらいいかわからず、距離間やコミュニケーションのとり方などについてお話する機会が増えています。
■ 以前にはなかった新たな悩みごとも浮上
筆者が、「離婚カウンセラー」の資格を取得した10年前は、一般常識として「結婚とは」「離婚とは」という共通認識を持っていました。ところがこの十数年で「結婚観」「離婚観」は大きく様変わりしました。
現在は、同性婚、別居婚、事実婚などが認められているように、お互いに心地いい結婚生活を求めて実践する夫婦も増えています。結婚生活や生き方そのものにも「〇〇とはこうあるべき」という考え方は薄れ、価値観の多様化がますます進んでいます。
悩みの種類が多様化するとともに、専門家も細分化しています。その道のエキスパートが、個々の悩みに合わせて、的確丁寧に対応してくれます。筆者が離婚で悩んでいた頃は、ここまで多くの専門家は存在していなかったので、とても心強い時代になったと思います。
■ 悩みが生じたら、その都度、専門家に相談する
たとえば、夫婦問題で悩んでいる場合は、クライアント(相談者さん)の心に寄り添い、メンタルサポートやアドバイスを行う「夫婦問題カウンセラー」のほか、法律面でのサポートを行う「弁護士」、民間調停の「ADR」、調査のプロ「探偵社」、お金のプロ「FP(ファイナンシャルプランナー)」、手続きに関する「行政書士」などの専門家が存在しています。また、不動産に関することやお子さんの養育、面会交流に関するサポート機関も充実しているので、状況や必要性に応じて相談することができます。
悩みを他人に話すことに抵抗をもつ方もいらっしゃいますが、心の内をアウトプットすることで気持ちは楽になり、事例を多く知る専門家のアドバイスを聞くことで道が開き、改善する例も多くあります。
一度しかない人生です。限られた時間をできるだけ有意義に、幸せに過ごすためにも、一人で悩みを抱え込まず、その都度、専門家を頼って、悩みを解消してほしいと思います。
[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)]
※写真:PIXTA、本文とは直接関係ありません