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発達障害や鬱…夫婦の悩み、病名に振り回されないで!
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発達障害や鬱…夫婦の悩み、病名に振り回されないで!

夫婦問題に特化したカウンセリングを行っている筆者ですが、最近気になっていることがあります。それは、セッションのなかで頻繁に具体的な病名が出てくることです。

 

■ さまざまな病名がある心の病

たとえば、このような例です。
「夫はADHDで薬を服用しています」
「夫は、発達障害なんじゃないかと思います」
「いま自閉症スペクトラムの検査をしています」
「カサンドラ症候群になり、適応障害(いまは鬱)になりました」
「妻から、私はアスペルガー特性を持っていると言われました」
「適応障害で不安症(抑うつ状態)になってしまいました」

昔から、先天的、後天的な病気はありましたし、心の病も存在していましたが、研究が進むとともに、さまざまな病名がつき細分化しています。実際に病院で診断された方もいらっしゃいますが、夫婦関係を自己流に分析している方も少なくありません。インターネットや本などで、病気のことを調べるのでしょう。とても詳しい方が多くて驚きます。

 

■ 病名を知って安心する心理

「やっぱり夫は発達障害でした。これまで、どんなに話し合いをしようとしても、向き合ってくれない理由がわかりました」
「話し合いができないので、おかしいと思っていました。前からそうかなと思っていましたが、夫は病気だったんです」

おもに妻側が多いのですが、病名がついたことで「やっぱりそうだった」と、自分の感覚は間違っていなかったと、納得感を得たように話す方がいます。病名がはっきりすることで、これまでよく理解できずにいたパートナーの言動の意味を知り、安心できるのかもしれませんが、一方で、病名に振り回されている人も多い気がしています。苦しい状況に居るときは誰しも不安でいっぱいで、余裕がもてないのかもしれませんが、ときにはパートナーを突き放したような印象を受けることもあります。

 

■ 大きな課題だからこそ、一人で抱えこむのは禁物

大切なのは、病名を知ったその先にあります。

夫婦関係として、運命共同体として、これからの人生をどう生きていくかが問われます。パートナーと自分の関係を見つめ、自分自身の生き方を再度確認する必要があります。病気だと診断されても、投薬やカウンセリングを続けることで改善に向かうことが報告されているので、身近な家族がどのようにサポートしていくかが課題になります。

大きな課題だからこそ、一人で抱えこむのは禁物です。サポートする側が過度に負担することのないように、カウンセラーや専門家を味方につけて乗り越えてほしいと思います。

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