育児に積極的に関与する男性を「イクメン」と呼びます。これは2010年6月に、当時の長妻昭労働大臣が少子化打開の一助として「イクメンという言葉を流行(はや)らせたい」と国会で発言し、男性の子育て参加や育児休業取得促進などを目的とした「イクメンプロジェクト」を始動させたのをきっかけに、一気に浸透した言葉です。
実際に「夫婦で育児をする」最近ではそんな意識がだいぶ浸透してきたように思います。
パパがおしめ替えを率先してやったり、レストランでもパパが子どもの食事の補助をしたり、そんな光景が当たり前の様になってきました。しかしながら、こちらが聞いてもいないのにドヤ顔でイクメンアピールをする男性もいるのも事実。そんな彼らを筆者は「えせイクメン」と呼んでいます。えせイクメンは結婚前に見抜ける!ということで、今回はえせイクメンの特徴を解説します。
■ 饒舌な夫に対して、寡黙な妻
「ぼく、今朝の離乳食を作ったんですよ」
「おしめ替えもするんですよ、うんちももちろん!」
「イクメンなんですよ、おれ」
聞いてもいないのにドヤ顔で、イクメンアピールをする男性、いますよね。
「ぼくが育児をやっていることを、もっとみんなにアピールをしてよ」と、妻に促す夫もいて、饒舌な夫に対して、隣にいる妻は能面の様な表情で始終無言。このような場面に遭遇すると、「そりゃそうだ、お怒りはごもっとも」と心から妻に共感をします。
過酷な乳幼児育児中に、大きな子どもが、「見て見て! ぼくイクメンだよ!」とアピールしてくるわけで、ただでさえ大変な時に、余計な仕事が増えて発狂寸前。とてもじゃないけれど、家事育児をシェアするパートナーにはなれないですよね。
■ 承認欲求暴走タイプが多い
メンタル・コーチの立場から、えせイクメンを見ると、承認欲求暴走タイプが多いように感じます。とにかく「人に認めてもらいたい、自分は価値ある存在だと認めてもらいたい」という意識が強いのです。
人間ならば、そんな承認欲求はあって当然のこと。認められないよりかは、認めてもらう方が気持ちいいし、居心地がいいですよね。自分は認められている存在だ、価値ある存在だと思えることで、次なるモチベーションにもなります。
でも、承認欲求は自分でちゃんと手懐けること。例えるならば、承認欲求は猛獣、あなたは猛獣使い。自分の中の猛獣は自分で手懐けること。さもないと、猛獣に飲み込まれてしまいますよ。猛獣に飲み込まれて、猛獣と化している男性。そんな男性は要注意ですよ。
いかがですか? 筆者の周りには、いわゆる「イクメン」が多いですが、彼らは自分のことを「イクメン」だと思ってもいないし、思ってもいないからアピールもしません。なぜならば、人からの承認が欲しくて育児をしているわけではないからです。子どもがかわいいから、とか、夫婦で育児をして当然だから、とか自分軸で動いている大人な男性達。「えせイクメン」とは根本が違うのです。夫婦で育児をしたいのなら、他人からの承認に飢えた男性は選ばないことです。
(写真:PIXTA、本文とは関係ありません)