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蓄積ストレスのサインに気づいてメンタル不調を防ごう!
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蓄積ストレスのサインに気づいてメンタル不調を防ごう!

今まで元気だった人が、急にメンタル不調を引き起こすことはよくあります。突然のことで、まわりの人も本人さえも、理由がわからないこともあるのです。突然やってくるメンタル不調は防げないのでしょうか? いいえ、そのようなことはありません。メンタル不調の原因とされる蓄積ストレスのサインと、メンタル不調を未然に防ぐ方法を心理カウンセラーがお伝えします。

 

1.ストレスによる症状は遅れてやってくる

ストレスが原因でメンタル不調を引き起こすことは、よく知られています。ではメンタル不調を起こすストレスとは、どんなものをイメージされるでしょうか。一般的には、人間関係のトラブルや大きな自然災害、また大切な人を失う喪失体験がイメージしやすいと思います。確かに、このような大きな衝撃を伴うストレスによって、メンタルに支障をきたすことはよくあります。しかしそこまでの大きなストレスがないにも関わらず、メンタル不調を起こす人もいます。実はメンタル不調は、直前の大きなストレスだけではなく、日常のちょっとしたストレスや、これくらいならという我慢の蓄積が原因となることの方が多いのです。ストレスがかかっている初期の頃は、人は何とか頑張ろうとするので、疲労感を感じにくくなっています。

ところが、頑張り続けるとエネルギーは減り続け、その反対に蓄積ストレスが溜まってしまいます。そうなると人間は生命の危険を感じ、さまざまな症状を伴うサインを出すのです。しかし、そのサインが蓄積ストレスによるものだと気づかず放っておくと、メンタル不調から精神疾患に移行することもあるのです。

 

2.様々な蓄積ストレスのサイン

ひとくちに蓄積ストレスのサインといっても、その出方はいろいろあります。身体に出る場合は、その人の弱いところに出やすくなります。胃腸の弱い人であれば、胃痛や下痢、便秘という症状が出ます。繊細で緊張しやすい人は、頭痛や肩こりという症状になったり、アレルギー体質の人だと、蕁麻疹が出たり、アトピー性皮膚炎が悪化したりします。また生理不順になったり、PMS(月経前症候群)がひどくなります。

生活習慣にもサインは現れてきます。お酒やたばこの量が増える、甘い物やスナック菓子を毎日買って帰る、食べ過ぎたり逆に食欲がわかなかったりが続くこともサインです。その他、ケアレスミスが続いたり、些細なことでイライラして怒鳴ったり、誰とも会いたくなくなったりという、行動面に現れるサインもあります。

 

3.ストレス対処法がストレスになる?

意外かもしれませんが、普段行っているストレス対処法にもサインが現れることがあります。蓄積ストレスが溜まりすぎると、普段のストレス対処法ではストレスが発散されなくなっています。ひとつのストレス対処法では発散できないため、突然、旅行やライブ、飲み会やスポーツなど、どんどん予定を詰め込んでいるときには、蓄積ストレスが過剰に溜まっているサインなのです。

実はこういうワクワク系のストレス対処法は、単体ではとてもいいのですが、もともと心身に疲れが溜まっているときに、過剰に楽しいことを詰めすぎると、反対に疲労を蓄積させ、メンタル不調を起こすこともああります。自分の体調を考えず、無意識に予定を入れすぎているときも、蓄積ストレスのサインです。

 

4.蓄積ストレスのサインに気づいたら

このような蓄積ストレスのサインに気づいたら、自分は意外にストレスが溜まっているんだなと自覚することが大切です。しかし蓄積ストレスのサインが出ているときというのは、まだまだ頑張れると思いがち。ちょっと休めば大丈夫だろうと過信しやすくもなっています。

他人の変化には気づけても、自分のこととなると案外わからないものです。蓄積ストレスのサインが出たら、まずは十分な休息が必要になります。特に睡眠は重要になってきます。とはいえ、休みの間中ベッドやソファーでゴロゴロするというのも気分転換しにくくなります。日中は、人があまりいないところで自然を感じるのもおすすめです。風や日だまりの優しさやを感じたり、木々の色に癒やされたり、また夜空の星や月を眺めてもいいでしょう。

また誰かに話を聞いてもらうことも、気持ちが楽になり前向きな考えができるようになります。休息する目的は、身体の疲労を回復させ、心のエネルギーを充電することにあります。生活リズムを崩さず、無理にテンションを上げすぎず、心地いい状態を保つ意識がよい休息に繋がっていきます。

[執筆:上土井 好子(公認心理師・心理カウンセラー)]

※画像: PIXTA(画像はイメージです)

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