東京都は新しい取り組みとして、平成25年度の予算に『東京スマート保育』(略して“スマ保”)を盛り込みました。待機児童をなくすために考えられた具体策と猪瀬都知事は言っていますが、実際は待機児童が解消されるのか考えてみたいと思います。
■スマ保政策はどんな内容なの?
『スマ保』とは、6 ~19人を定員とする小規模保育所の事を指します。
従来の保育所の補助金が出る定員は(保育所全体で)20名以上となっていました。保育ママさんの定員は補助員さんがいれば5名。つまり利用者が5名まで、若しくは20名以上でないと補助金がなかったのです。
一方、スマ保政策の場合、6人~19人の定員の保育所開所費用を、東京都が1,500万円を上限として補助するものとなっています。ただし2年間という期間限定です。
■東京都の意気込み
東京都の待機児童数は依然として多く、保育所の申し込みをしてもなかなか希望の預け先にすんなりと入ることができない現状があります。スマ保政策を2年間限定で行うことで、事業者に対して「期間限定なので、早くやってよね」という思いを込めている様です。さらに、小規模保育の定員数も2年間で約千人確保しようとしています。
■待機児童はなくなるの?
スマ保ができ、千人の定員数を確保できれば待機児童は解消されるのでしょうか? いいえ、実際はそう簡単に解消されるものではありません。
先日も杉並区の認可保育所に入れなかった母親たちが区に対して抗議をしていましたが、入れなかった子どもの数は1,833人です。明らかに千人をオーバーしています。ひとつの区でこの状態です。単純に考えても、まだまだ足りないのではないでしょうか?
数年前よりも断然保育を取り巻く状況は変わっているのですが、社会の状況も変化しています。東京都として取り組んでくれた事はいいことであると思いますが、やはり保育施設の早期充実を、切に願います。
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【参考】
※2013年1月19日 MSN産経ニュース「平成25年度予算原案 「選挙公約に掲げた世咲くを盛り、都民の期待に応えるものに仕上げた」