「終活」という言葉をご存知でしょうか。2009年の週刊朝日にて「葬儀やお墓、遺産など人生の終わり(死)に向けての事前準備を元気なうちから」ということで取り上げられたことを契機に、今では社会的潮流となってきています。
私たちは漠然と「平均寿命くらいまでは生きるのかな」と思いがちですが、仮に平均寿命まで生きられたとしても、そこまで「元気に」生きられるとは限りません。平均寿命だけでなく、もうひとつ考えるべき指標である「健康寿命」と、この健康寿命を延ばす方法について取り上げます。
■ 健康寿命とは
健康寿命は、介護を必要としないで自立した生活ができる期間を指します。平成25年現在の日本人の平均寿命は男性80.21歳、女性86.61歳ですが、健康寿命は男性71.19歳、女性74.21歳(※1)となっており、特に女性の場合「平均寿命‐健康寿命」の差である、介護を受けながら生きる期間が12.4年もある計算になります。
■ 健康寿命を延ばすために
ストレス過多と言われる現代社会において、日常のストレスを0にすることはできませんが、身体と心はつながっていることから、心の健康を維持することが体の健康にも大きな影響をもたらすことになります。ストレスコントロールのコツとして「セルフケア」の方法を身に付けることが大切です。以下に、代表的なセルフケアの方法を記します。
・趣味、娯楽(Recreation)
「職場の上司」「ママ友」など、ストレス源がはっきりしている場合は、意識的にストレス源から離れる時間を持つことが大切です。運動やカフェ、映画鑑賞など、好きなこと・趣味に打ち込む時間を設けることで、ストレスのことばかり考え心身が滅入る前にリフレッシュをすることができます。
・休息、睡眠(Rest)
ストレスが強くかかっていると感じるときは、普段よりも1~2時間ほど長めに睡眠をとると良いでしょう。最適な睡眠時間には年齢・性別などによる個人差はありますが、普段から睡眠時間が6時間を下回っている場合は要注意と考えましょう。
・リラクセーション(Relaxation)
ストレスで緊張した身体をほぐしたり精神を安定させたりするリラクセーション法もセルフケアの一つです。たとえば、ストレッチ、アロマセラピーや瞑想、音楽などが挙げられます。
これらの3点は英語の頭文字から「3つのR」と呼ばれることがあります。ぜひこれらを参考に、取り入れやすそうなものから日常生活で続けてみることが、健康に長く生きるために必要なのです。
[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]
【参考】
※1. 健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現に関する目標(厚生労働省、健康日本21(第二次) 各目標項目の進捗状況について)
※写真:PIXTA、本文とは関係ありません